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井上 晴哉(24歳・日本生命)内野手 180/110 右/右  
 




                「何か変わった感じはしないけれど・・・」





独特の高い放物線を描く打球は、アマでは殆ど見られる天性の長距離砲。しかしそういった打球も、対応力を重視した打撃になり、社会人に入ってからはあまり見られなくなった。昨年の公式戦でも、92打席で4本塁打。これをプロの規定打席である446打席に換算しても19.4本換算になり、けして長距離打者ではないことがわかる。


(守備・走塁面)

 大学時代では一時期、プロへのアピールのためか三塁をやっていたこともある。しかしスローイングの形が悪く、三塁手としては厳しい。一塁手としても上手くはないが、なんとか無難には守れている。DHのあるパ・リーグならば、一塁&DHという選択肢も広がるが、そこを任されるためには圧倒的な打撃が求められる。

 一塁までの塁間は、最後まで全力で走ることは滅多にありません。走ったとしても、4.75秒前後である、左打者に換算しても4.5秒と極めて遅いことがわかります。まぁこの選手の場合、周りも走力には期待していないでしょうから、これは割り切るしかありません。


(打撃内容)

 守備位置が限定され走力も期待できないので、完全に打撃でいかにアピールするかにかかっています。今年の都市対抗では結果を残せませんでしたが、昨年の日本選手権・今年の都市対抗予選などでは5割以上の打率を残すなど、対応力はかなり向上してきたと言えるでしょう。

 センターから右方向には、大きな打球を飛ばせる反面、引っ張りにかかることも多く、腰がキレないためか?引っ張ると打球がゴロになります。そのため引っ張ってスタンドインというツボを持っていないのが、長打率の低下にもつながっていると思います。

<構え> ☆☆☆

 前足を軽く引いて、グリップは体のそばで捕手側に引いて構えます。腰は据わらず背筋を伸ばし、全体のバランスとしてはどうでしょうか? それでも両目での前の見据えは悪くなく、打席ではリラックスして構えられます。

<仕掛け> 早めの仕掛け

 対応力を重視するためか「早めの仕掛け」を採用するなど、現在はアベレージヒッターの打ち方をしています。その巨体と上手く捉えた時の打球が飛ぶので長距離を望みたくなりますが、少なくても今はそういった打者ではありません。

<足の運び> ☆☆☆☆

 早めに足を地面から浮かし、地面をなぞるように地面スレスレで打ちに行くスタイル。始動~着地までの「間」を取ることで、速球でも変化球でも合わしやすい打ち方に。

 踏み込みは、ベースから離れたアウトステップを採用しているように、元来は内角の球を引っ張りたいタイプ。それでも踏み込んだ足元がブレないので、アウトステップでも真ん中~高めの甘めの外角球ならば、ついて行くことができます。その打球も、センター~右方向へはじき返すことも少なくありません。

 内角を引っ張りたい割に、懐にある程度のスペースが欲しいタイプ。そのため内角よりの球を投げられると、上手く捌けません。

<リストワーク> ☆☆☆☆

 あらかじめトップに近い位置にグリップを添えているので、速い球に立ち遅れる心配はありません。バットの振り出しも上からインパクトまでスムーズで、ボールを捉えるのにロスはなくなっています。この辺は、以前に比べるとだいぶ修正されているポイント。

 スイングの際も、以前はバットの先端であるヘッドが下がり気味だったのを、ヘッドを立ててスイングできるようになり、打ち損じを減らすことができました。フォロースルーを上手く使える選手ではないのですが、スイングの弧自体は大きいので、体の力も相まって捉えた打球は強烈。

<軸> ☆☆☆

 足の上げ下げが静かなので、目線は大きく動きません。腰の逃げが早い打者なのですが、足元が踏ん張れるので、ある程度のところで開きは我慢。ただし軸足は崩れやすいので、軸が不安定になるのは避けたいところ。

(打撃のまとめ)

 以前のような脆い部分は、技術的な成長もあり改善されてきました。それでも結果を求めてしまうと、無理に引っ張って引っ掛けるケースが目立ちます。

 しっかり捉えた時の打球の強さと飛距離には、アマ離れしたものを持っています。社会人の強豪である日本生命でも4番を任されていたとおり、社会人レベルでも結果を残せるまでになってきました。

 年々脆かった打撃を改善してきたように、野球に取り組む姿勢は謙虚なのだと思います。ただしこの選手、第一打席がダメだと、後の打席にが全然で結果が尾を引くタイプ。強打者は楽観的なイケイケじゃないと言うのが私の持論であり、そういった意味では、プロ向きではないのかなというのを以前から感じていました。

 個性を引き出すのが上手いロッテという環境で、その辺をいかに払拭できるのか見守ってみたいと思います。ただし個人的には、技術的な成長は認めるものの、何か大きな成長が感じられたわけではないので、指名リストに名前を残そうとは思いませんでした。


(2013年 都市対抗)










井上 晴哉(23歳・日本生命)内野 180/100 右/右 (中央大出身) 





                「変わった感じしないのだけれども」





日本選手権では、打率.545厘と打ちまくり、その後に行われた アジア選手権 では日本代表のメンバーにも選出された 井上 晴哉 。アジア選手権出発前の壮行試合で生でも確認したのだが、以前と変わったような印象は残らなかった。その巨体から繰り出される打球は、まさにパワフル。対空時間が長い独特のアーチが、彼の最大の魅力でもある。

(守備・走塁面)

 大学時代はサードなどをしていることもありましたが、社会人では一塁かDH。一塁手としては動きが好いとは思いませんが、無難にこなしている気は致します。ただフットワーク・キャッチング・走力などを考えると、他のポジションは、望むのは厳しそう。プロでも一塁手としては、ありなのではないのでしょうか。

 一塁までの塁間を、5秒前後かかります。それほど一所懸命も走りませんし、走力に関しては割りきって諦めている感じは致します。まぁ使っている方も、彼に走力までは望んではいないでしょうから。

走力・守備力という意味では、かなり割り引いて考えた方がよさそうです。

(打撃内容)

 身のこなしは柔らかいのですが、何処か脆い印象は受けます。ただ何度か彼のホームランを観ていますが、対空時間の長い、アマでは滅多に見られない大きな放物線を描く打球です。そういった意味では、仕掛けは早いのですが、資質的には天性のホームラン打者なのかもしれません。


<構え> 
☆☆☆

 前足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。腰は背筋を伸ばす感じなので、それほどシッカリは据わりません。両目で前を見据える姿勢や全体のバランスは並ぐらいです。

<仕掛け> 早めの仕掛け

 当たれば飛んでゆくのだということなのか、対応力を重視して「早めの仕掛け」を採用します。これは、完全にアベレージヒッターの打ち方なのですが、天性のパワーで長打に結びつけてしまうのでしょうか。

 ただこの仕掛けのせいかはわかりませんが、社会人でホームランを打ったのを見たことがありません(都市対抗予選では一本打っているようですが)。

<足の運び> 
☆☆☆☆

 早めに動き出し、地面でノの字を描くように回し込みます。始動~着地までの「間」は充分取れているので、速球でも変化球でも合わせやすい打ち方。

 踏み込みは、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップ。そのため元来は、内角を強く意識して巻き込みたいタイプなのか。踏み込んだ足元もブレないので、アウトステップでも高めの球ならば外角の球にも対応できるかと思います。

 東都でも2年生の時に首位打者を獲得したように、まるっきり対応力が低いわけではありません。ただこの選手は、好い時と悪い時の差が非常に激しい傾向があります。また根本的な部分のミートセンスは、私はあまり好いとは思いません。

<リストワーク> 
☆☆☆

 打撃の準備である「トップ」の形は早く作れています。バットの振り出しは、腰が早く流れてしまう部分はあります。しかし下半身がブレないので、ある程度のところで抑えられます。ただ懐に少しスペースがないと捌けないタイプなので、アウトステップを採用するのは、打球が引っ張りたいという以上に、苦手な内角の捌きを少しでもスムーズにしたいからではないのでしょうか。

 少しバットの先端であるヘッドも下がり、ボールを最短距離で捉えるといったスイングではありません。トップ~インパクト、その後のフォーローまでの流れに無駄と粗さが残ります。

 ただフォロースルーを使える選手なので、打球は遠くに運ぶことができます。対空時間の長い打球は、このフォロースルーの恩恵が大きいのではないのでしょうか。

<軸> 
☆☆☆☆

 足の上下動が小さいので、目線は大きくは動きません。身体の開きも我慢出来ていますし、軸足も大きくは崩れません。

(打撃のまとめ)

 打撃は上半身・特にスイング軌道にロスを感じます。何より彼の最大の問題は、好不調の波が激しいこと。特に最初の打席で結果が出ないと、どうも考え込んでしまうタチなのかもしれません。好い時の爆発力凄く、固め打ちがよく見られます。しかし悪い時の内容は、目が当てられません。こういった波を少なくすることも、この選手の大いなる課題だと思います。


(最後に)

 特に精神的にタフになったとか、技術的に物凄く進化したとか、そういった感じは残念ながらしませんでした。現状、守備・走力・精神面などをみると、プロ向きではないなぁというのが率直な感想。ただあの独特の放物線の打球は、日本人には中々いないだようなぁという魅力もあります。今年どんなプレーを魅せてくれるのか、密かに見極めて行きたいですね。


(2012年 アジア選手権走行試合) 


 








 井上 晴哉(中央大)一塁 180/105 右/右 (崇徳出身) 

一塁手としては動きが機敏だと思いませんが、無難にこなしていたように思います。ただ三塁手としては、打球への反応・フットワーク・スローイング含めて、かなり厳しいと言わざるえません。あくまでも一塁手なら、なんとかいった守備力です。

 秋の観戦では、一塁までの正確なタイムは計測できませんでした。以前計ったときは、塁間4.95前後(左打者換算で4.75前後に相当)と、全く走る意欲は感じられません。走力に関しては、完全に論外です。

(打撃内容)

 一見脆そうな印象を受けるのですが、東都でも2年生の春に首位打者を獲得。一部通算.285厘と、それほど脆さや粗さがあるわけではありません。むしろ問題は、打てない時と打てる時の波が激しいこと。精神的に弱い部分があり、一打席目に討ち取られてしまうと、あと引きづるタイプだということ。

 まず前足のカカトをスクエアスタンスで立っていますが、以前はオープンスタンスでした。グリップを高めに添えるのですが、体の近くで捕手側に引く、かなりいびつ構えです。腰も据わらず、両目で前を見据える姿勢も悪く、かなりバランスは悪いです。非常に、打撃フォームでも、悩んでいる様子が伺えます。

 仕掛けは、以前はスラッガーらしく「遅めの仕掛け」を採用していましたが、秋は「平均的な仕掛け」を採用し、打率の低下を防ごうという意識が見られました。足を小さく浮かして、アウトステップで踏み込みます。ただその足元は、ブレません。この辺は以前と同様で、基本的には巻き込む打撃を好みます。

 打撃の準備である「トップ」はあらかじめ作れており、バットの振り出しも悪くありません。腰が早く逃げるタイプなのですが、踏み込んだ足元がブレないので、ある程度のところで開きを抑えられます。そのため外角の球でも、高めの球ならばアウトステップでも対応できます。

 足の上げ下げが小さいので、目線も大きくは動きません。開きも我慢できていますし、軸足も大きくは崩れません。

(今後は)

 崇徳時代は、明らかに脆さ・粗さがあったのですが、大学の4年間でかなり改善されました。むしろ問題は、冒頭でも触れたように、精神面にあります。

 春はそれでも、貴重なスラッガー候補であることから、指名リストに入れました。ただ秋も内容は改善されなかったところをみると、今の時点ではプロに入らなくて正解だと思います。

 今後の社会人の二年間で、その辺の部分がいかに改善されてくるのか注目したいです。ただアマで最も高待遇という日本生命に進むとのことで、プロ志望ではないのかな?という気も致します。それでも日本人で稀な飛距離を誇る選手だけに、なんとか輝きを取り戻して欲しいのですが・・・。

(2011年・秋季リーグ)

 






井上 晴哉(中央大)内野手 180/100 右/右 (崇徳出身)






              「気持ちの持ちよう!」





 今年のアマチュア球界の中でも、当たったときのボールの飛距離では一番ではないかと思われるのが、この 井上 晴哉。その誰もが認めるパワーに加えて、09年度の秋のシーズンでは、首位打者にも輝く対応力も兼ね備える。崇徳時代魅せた脆さは陰を潜めたものの、今シーズンは、13試合に出場し 2本塁打 3打点 打率.214厘 と低迷した。その要因について迫ってみたい。


(打撃内容)

 ボールを捉えさえすれば、面白いように打球が飛んで行くパワーは、誰もが認めるところ。09年秋には首位打者にも輝いたように、崇徳時代に魅せた何処か脆い部分も、だいぶ改善されてきた。また昨秋のシーズンでも、打率.300厘をマークしている。そんな打者が、何故打てなくなってしまったのだろうか?

(意識づけ)

 今シーズンは、開幕直後サードも務めたように、シーズンに対する意気込みも高く、体のキレも絞れてよくなっていた。前の打者の対戦をネクストバッターボックスで、しっかり集中してみつめている。投手の投球練習時などには、投球モーションに合わせてスイングをするなど、タイミングを合わせる準備も怠らない。打席に入る時は、自分の足場にそれなりに気を遣い、打撃へのこだわりや執着心を覗かせる。また力まないようにリラックスを心がけるなど、けして野球への意識が低い選手だとは思えない。

(ただ・・・)

 この選手は、好い時と悪い時の差が激しい。好い時は固め打ちをしてくるが、悪いときは地を這うような暗さが漂い、とても打てる気がしてこない。その辺は、打席に入る時から伺い知れる。またバッターボックスに入る時などは、バッターボックスのラインを踏んで汚さないような、しっかり跨いで打席に入る。こういった細かいところまで、気が行く選手。それだけきめ細やかさがある選手で、バッテリーなどのようなポジションでは、このような用意周到な細やかさも大事な要素。しかしイケイケの強打者の場合、そこまで繊細なタイプは珍しい。

 恐らくこの選手の場合は、普段の野球への取り組みが悪くて打てなくなるのではなく、逆に考えこんでしまうタイプなのではないのか?強打者は、少しぐらい鈍感で、あっけらかんとしている方が、私は大成すると考えている。井上は、あまりにもスラッガーとしては繊細なのだ。この気持ちの持ちようを教えられる指導者や先輩などに出会えたら、この選手の才能は、一気に爆発するだろう。


(守備・走塁面)

 足に関しては、正直相当遅い。長打力を売りにする選手なので、その辺は割り切っていいだろう。ただ打てないで更に全力疾走を怠ると、周りからの印象はよくない。けして不真面目にやっているわけでもないのだろうが、真剣さが伝わってこないと、出番を減らされる悪循環を恐れる。

 今シーズン最初は、果敢にサードにも挑戦した。キャッチングはドタドタしていたが、思ったよりは無難にボールを処理していた。むしろ問題は、スローイングの形が悪いので、どうしても長い距離を投げると送球が乱れる。
やはり上のレベルでは、一塁やDHあたりでの起用になるのではないのだろうか。


(最後に)

 この選手の場合、打てる打てないかは、精神的な部分によるところが大きい。ただ打てる日、打てない日があるのも、打てるポイントが極限られていることに要因がある。またせっかく甘い球を来ても、結構それを打ち損じたり、あっさり見逃してしまったりと好機を掴むセンスに疑問を持つことも少なくない。

 ただここまで日本人離れしたパワーを持つ打者は稀であり、これ以上アマでちまちま育てても仕方はないのではないのだろうか。体格にも恵まれ、野球への意識も低くない選手。鍛えがいのある素材であり、下位指名でもプロに入るべきだと私は考える。

 細かいことをネチネチで追求しない環境、欠点より長所を評価してくれる懐の大きな野球を追求している球団に進んで欲しい。いい出会いがあれば、大いに変われる可能性を秘め、安定して爆発できる選手に育つかもしれない。そういった意味では、彼の規格外の才能は、アマのフィールドではあまりに狭すぎる。


蔵の評価:


(2011年 春季リーグ戦)


 







井上 晴哉(中央大)DH 180/100 右/右 (崇徳出身) 
 
(どんな選手?)

 その巨体が目を惹く選手ですが、崇徳時代から日本人離れしたパワーが魅力の選手です。恐らく今の大学・社会人の中では、屈指のスラッガーではないのでしょうか。

(守備・走塁面)

 塁間4.95秒前後(左打者換算でも4.65秒前後)で、高校時代よりも明らかに体重が重くなり動けません。春のリーグ戦14試合でも、盗塁は0。本当に動けないのだと思います。

 リーグ戦でも一塁を守ります。失策は0のように、一塁の守備は無難に務めているように思えます。上のレベルでも一塁もしくはDHになりそうです。完全に守備・走力には目をつむり、打撃で勝負のタイプです。




(打撃内容)

 まだまだ粗いのですが、ボールの軌道が他の野手とは違います。ただパワーがあるのではなく、本当に遠くに飛ばす才能に恵まれている天性のスラッガー。ただ好い時はとことん固め打ちをするのですが、悪い時は全く打てない浮き沈みの激しいタイプです。それでも今春は、打率.354厘 3本塁打 15打点と好成績を残し、自身2度目のベストナインに選ばれました。

 両足を揃え、グリップを高めに添える強打者スタイル。腰の据わり・全体のバランス・両目で前を見据える姿勢などは並。自分でリズムを刻めないのが、一つ脆さの要因かもしれません。

 仕掛けは「遅めの仕掛け」を採用。投手の重心に合わせて前にチョンとステップしますが、そのあとの始動が遅れないのが、このタイプでも成功している理由です。

 ただ小さくステップするタイプなので「間」が作れるタイプではありません。そのため様々な変化に対応しうると言うよりは、狙い球を絞って、その球を逃さず叩くスラッガータイプです。強打者ながらアウトステップをする選手で、ボール引っ張ってレフト方向に長打を打つのを得意としているようです。それでもインパクトの際に、足下がブレないのは救いです。

 トップの位置にあらかじめグリップを引いているので、振り出しが遅れることはありません(その代わりリストの柔軟性には欠けます)。ボールを捉えるまでのスイングは並ですが、大きな弧を描きつつ、フルスイングでバットを振り抜きます。フォロースルーでもグリップを高い位置まで引き上げるなど、ボールを遠くに運ぶ術も身につけております。

 目線のブレは並レベルですが、身体の開きも我慢でき、軸足にも強さを感じさせます。多少粗い部分はあるのですが、だいぶ技術的には欠点が改善され、その動作からは天性のスラッガーを感じさせます。

(今後に向けて)

 プロでも長打を売りにできる数少ない資質の持ち主です。まだまだ粗く脆い部分は見受けられますが、大きな欠点は改善されつつあります。プロの指導者・環境で揉まれれば、いずれは和製大砲として大成する可能性がある選手だと思います。ただ最終学年では、注目されるなか結果を残せるのかどうか?その辺の精神的なタフさも含めて考えて行きたいと思います。それでも大学・社会人球界では、久々に現れた大砲候補ではないのでしょうか。

(2010年 春季リーグ戦)






 
増本とは対照的に、中国地区屈指の強打者として、多くの人から注目されていたスラッガーです。打席に入った時の雰囲気が素晴らしい選手で、まさに強打者と云った雰囲気がプンプン臭って参ります。

 打球自体は、スイングの際に力が入りすぎて、あまりボールを運ぶと云うよりは、強烈なライナー性の目立つタイプの強打者です。それでも腕力が桁違いで、外野フライだと思った打球が野手の頭を抜けていったり、ライナーでそのままスタンドに突き刺さったりします。この日本人離れしたパワーは、今後のアマ球界でも注目の的でしょう。対応力に大きな課題を抱えているところが、今後何処まで改善出来るのか注目されます。

 一塁までの塁間は、4.65秒前後(左打者換算で4.35秒前後)と、プロの基準である4.2秒と比べると、かなり落ちます。足は期待出来ないのと、左翼手としての打球の反応など、今一歩のところが気になります。しかし地肩に関しては、かなりの強肩だけにこの点では評価出来ると思います。最終学年で、守・走にも破綻のないレベルまで引き上がっていたのか気になるところです。

 いずれにしても日本人離れしたスケールは、大学球界では稀な存在です。小さくまとまることなく、大きく育って欲しい選手です。


(2006年・夏)



2年生ながら、4番に入ったレフト右打ちの井上君は、痛烈な打球に加え、そのずんぐりむっくりな体型から、1976年最強崇徳の4番永田を彷彿させる個性的なキャラと重なり、少々だれた試合の中、眼を覚ませてくれる打球の速さで、もっとも印象に残った選手。

(2006年 5月2日 織田氏)