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 西原 圭大(25歳・ニチダイ)投手 178/76 右/右
 






                       「クセ球だね」





投球の多くは、シュート回転して沈むツーシームを多く織り交ぜ、ストレートとスライダーは、それほど投げ込んで来ない。むしろ相手を仕留めに行く時に、力を入れたストレートを投げ込むなど、プロにもいないタイプ。

(投球フォーム)

 一見スリークオーターに見えるのですが、実際腕の振りはサイドと言ってもいいほど下がっている。腰高のサイドピッチャーの方が、的を得ているのかもしれません。

ストレート 130キロ台後半~140キロ台前半

 投球の6割ぐらいはツーシームを投げており、ストレートの方が少ない配球。しかし決めに行く時に使うストレートは、意外に勢いがあるのに驚く。ただしストレート自体は、キレ型なので多投すると苦になく弾き返される球威であり、たまに使うからこそ効果的に使えるのだろう。

変化球 ツーシーム・スライダー

 ツーシームといっても、ストレートが少し変化するだけの変化ではなく、シンカーのように結構大きく曲がりながら軽く沈む球でも。そのため球速も、130キロぐらいしか出ておらず、ストレートとの見分けが微妙とか、そういった球ではありません。明らかに、一つの独立した変化球だと言えるでしょう。

 スライダーはたまに投げる程度で、それほど大きな意味は持ちません。元々曲がりが小さく鋭いタイプのスライダーなので、カウントを稼ぐ・整えるためのものと言えます。ただしシュート系のボールが中心なので、逆方向に曲がるスライダーは、ツーシームとの球速も近く、上手く活かせるようになると効果的だと考えます。

その他

 気になるのは、実戦派にしては牽制が上手くない点。クィックこそ1.1秒~1.2秒ぐらいでまとめられ、ほぼ基準レベルなのですが。

 マウンド捌きは落ち着いており、それほど細かいコントロールないものの、四死球で自滅するような危うさはありません。しいて言えば立ち上がりが不安定なので、そこを乗り越えれば問題ないのでは。

(投球のまとめ)

 なかなかプロにいないタイプだと思うので、いきなりこういった投手が出てくると打者は面食らうかもしれません。それでいて制球は安定しているので、よくわからない間に抑えられる、そういった可能性はあります。

 ボール自体凄みはないのですが、芯では捉え難いタイプ。上手くハマると、プロでも短期間ならば活躍できるかもしれません。ツーシームばかりの投球なので、もう少し逆方向へ曲がるスライダーを効果的に使えれば、投球の幅が広がり面白いと思います。



(投球フォーム)

セットポジションから、スッと足を引き上げて入って行きます。

<広がる可能性> ☆☆

 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦の変化球は適しません。

 「着地」までの粘りもそれほどなく、体を捻り出す時間も確保できていないので、いろいろな球種を身につけるのは厳しいかもしれません。むしろツーシームやスライダーのように、腕を捻り出さないでも投げられる球種が、投球の中心となるのは必然かもしれません。

<ボールの支配> ☆☆☆

 グラブを最後まで内に抱えられ、両サイドへの投げ分けは安定。ただし足の甲での地面への押し付けは浮きがちで、ストレートは真ん中~高めに集まりやすい傾向があります。「球持ち」自体は悪くないのですが、細かいコントロールというよりも、おおまかにボールをコースに散らして来るタイプだと言えます。

<故障のリスク> ☆☆☆

 お尻は一塁側に落とせませんが、カーブやフォークなどの球種は使いません。ただしツーシームというよりも、シュート・シンカー系に近い球筋であり、肘への負担が少ないとは言い切れないように思います。

 腕の振り下ろす角度には無理がなく、肩への負担は少なそう。それほど力投派ではないので、肩には大きな負担はかかっていないのではないのでしょうか。

<実戦的な術> ☆☆

 「着地」までの粘りがイマイチで、体の「開き」も速くなり、打者としては合わせやすいフォームです。しかしボールがクセ球なので、わかっていても中々芯で捉えにくいという投球だと言えるでしょう。

 腕は適度に振れており、体には絡みます。速球とツーシームの見極めは、打者にとっては難しいかもしれません。体が流れてしまっているので、ボールには体重を上手く乗せられていません。そのため球威は生まれず、あくまでも腕や上体の鋭い振りで、ボールのキレを生み出して行くしかありません。

(フォームのまとめ)

 投球フォームの4大要素である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「球持ち」こそ悪くありませんが、それ以外には課題を残します。しかし合わせやすいフォームでありながら、クセ球でその欠点を補っています。

制球を司る動作ではボールが上吊ること、肘への負担が多少気になる部分が残ります。


(最後に)

 プロにはいないタイプであり、短いイニング・短い期間ならば活躍するかもしれません。相手が馴れられる前に、パッとカウントを先行させ、イニングを消化できる可能性があるからです。

 ただし私がクセ球投手に求めるのは、ボールを低めやコースに集められるコントロールがあること。そういった観点で考えるならば、この選手はちょっと違うように思います。それだけに球筋に馴れられてきた時に、プロの打者ならば充分対応してゆくのではないかと考えます。仮にハマっても、そう長い期間ではないのではないかと考えます。素材としても今後大きく伸びるタイプではなさそうで、あえて一年目から結果を求めたいところ。

 以上の理由から、面白い投手だとは思いますが、指名リストからは外したいと考えました。プロで彼のようなタイプが、どんな活躍を見せるのか興味深いものはありますが。


(2013年 都市対抗)










西原 圭大(愛媛・今治北)投手 178/64 右/右 


 右のスリークオーターで、ナチュラルシュートする135キロ級の速球に、スライダーを武器にカーブ、シュートなども織り交ぜて来る。中々の力投派で、順調に成長して行けば、選抜では、130キロ台後半級の速球も充分期待出来るかもしれない。

 右打者にも左打者にも、両サイドに投げ別ける配球。比較的制球力も安定しており、、重心が低いので、低めに集まる球も少なくない。癖のあるナチュラルシュートも打者にしては厄介。その球が、それほど甘いゾーンに入ってこないところが好い。

(投球フォーム)

<踏みだし> 
☆☆☆ 反動を付けて投げる力投派

 ワインドアップで振りかぶり、両足のスタンスは並程度だが、足は引かれており無理にエネルギーを捻出しなくてもエネルギーを導きやすい。反動を付けて投げる力投派なので、足を引き上げる際の勢いはいい。足の引き上げの高さは並程度。

<軸足への乗せとバランス> 
☆☆☆☆ バランスの好い立ち方

 この手のスリークオーター投手にしては、軸足の膝から上がピンと伸びきっていないところが好い。そのためしっかり軸足の股関節に体重を乗せることが出来、全体のバランスも取れている。

<お尻の落としと着地> 
☆☆ もう少し着地までに粘りが欲しい

 お尻の一塁側の落としはソコソコで重心も深く沈んでいる。ただ残念なのは着地までに粘りがなく、打者からもタイミングが合わせやすい。

<グラブの抱えと軸足の粘り> 
☆☆☆ 重心が沈み過ぎてエッジが効かない

 グラブは身体の近くに添えられていて、左右の制球力は安定しやすい。足の甲で深く地面を押しつけられているのだが、重心が深く沈み過ぎてスパイクのエッジが活きていないので、その効果は薄い。そのため球が浮くことも少なくない。

<球の行方> 
☆☆☆ 球を下から押し出すようなリリース

 グラブで球を隠す意識はあるようだが、前肩と後ろ肩が直線的なので開きは早くなりがち。肘が下がりサイドに近い位置。ボールを下から押し出すようなリリースで、球離れは早い。そのため細かい制球力はつきにくいのでは。

<フィニッシュ> 
☆☆☆☆ 全身を活かした力投派

 腕の角度がないフォームでも、腕が最後身体に絡んで来るのは不思議。地面の蹴り上げの良さからも、エネルギーは最後まで伝えられているよう。上体も強く振れる投手。

(最後に)

 癖球+力投派で力強い。スリークオーター、サイド投手にありがちな傾向が、この投手には少ない。それが好いことなのか悪いことなのかは微妙なのだが、将来的にかなり球速のある力投派になることが期待出来そうだ。

 身体的にも均整の取れた体格で、高卒即プロとまでは行かなくて将来的にはひょっとすると言う期待感を抱かしてくれる存在だ。選抜で、もうワンランク上の投球が見られることを楽しみにしている。

(2006年 2月15日更新)