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松永 大介(セガサミー)投手の個別寸評へ







松永 大介(上武大)投手 185/83 右/右 (九州学院出身) 

(どんな選手?)

 独特のフォームから繰り出す投球で、下級生からリーグでは中心的な役割を果たしてきた好投手。特に相手の打ち気を反らしつつ、打てないところを探りながら投球するスタイル。今春のリーグ戦では、4勝2敗 防御率 2.01 と彼の力からすれば調子はイマイチだったのではないのでしょうか。

(投球内容)

 今時珍しいぐらい、両腕を高く引き上げるワインドアップ。そこから繰り出す速球は、常時135キロ前後(MAX137キロ)ぐらい。球速以上に角度を感じさせる速球に、縦・横二種類のスライダー・チェンジアップなどを織り交ぜ、両サイドを丹念に突いてきます。球威・球速がない分、微妙なコースへの制球が身上だと言えるでしょう。

 両サイドを突く制球力は確かなのですが、ボールに威圧感がない分、踏み込んで打たれるケースが目立ちます。牽制・クィック・フィールディングにも優れ、投球もまとめるピッチングの上手さは感じます。ただ絶対的な球がないので、馴れられると怖い部分があります。

(投球フォーム)

 大きくワインドアップで振りかぶったあと、引き上げた足を地面に向けて伸ばします。そのため見分けの難しいカーブや縦に鋭く落ちるフォークのような球種は身につけ難いのですが、他の球でそれを代用しています。大きく前に突き上げるグラブに目が奪われがちですが、実際には着地までの粘りは殆どありません。そのためグラブに幻惑されなければ、けしてタイミングがとりにくいフォームではないはず。

 グラブを内にしっかり抱えられており、両サイドへの制球は安定。ただ足の甲の押しつけが浅く、ボールが上吊る傾向にあります。腕の角度を相当つけてはいますが、それ程無理な投げ方にはなっておらず、この角度こそがこの投手の持ち味でもあることから、今のままで良いと思います。

 「着地」までの粘りがない分、やや「開き」が早くなりがちです。そのためコースを突いた球でも、踏み込んで打たれやすいのです。また「球持ち」は悪いとは思いませんし、腕も振れているのですが、「体重移動」が上手く行なわれておらず、ボールに体重が乗りません。球速ほどボールが手元まで来ないのは、この体重移動が上手くできていないからでしょう。

(今後は)

 コースを丹念に突くコントロールがあるので、ボールの出所が隠せるようになると、効果的なコーナーワークが演出できそう。またもう少し生きたボールが行くようになると、球速はなくても、実戦的な投球が期待できるでしょう。

 ピッチングは上手く総合力はあるので、早くから社会人で活躍してゆける土台はあると思います。ただそこからプロと言うことになると、まだまだ物足りない部分が多いです。プロと言うよりも、長く社会人で活躍してゆける投手を目指すべきではないのでしょうか。

(2011年 大学選手権)



 独特のテイクバックと130~MAX138キロぐらいなのですが、リーグ戦で実績充分(秋もMVP)なだけあって、好い投手に共通して持つ、投球リズムの好い投手です。

 変化球もスライダー・独特のシュート回転沈むチェンジアップなのか、フォークなのかわかりませんが、その球に特徴があります。ただ球威・球速と言う面からも、今後ドラフト候補と言うタイプではありません。

 すでにピッチングの形が出来ている投手なので、今後爆発的に球速を伸ばすようなタイプには見えませんが、2年生にしてリーグ屈指の存在だけに、神宮大会で全国レベルの学校達に、どんな投球を魅せてくれるのか注目したいです。

(2009年・横浜市長杯)