13ky-28
奥村 展征(日大山形)遊撃 177/72 右/左 |
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奥村 展征(日大山形2年)遊撃 177/68 右/左 |
「2013年度東北を代表する内野手」 2013年度の東北では、センバツに出場予定の 望月 直也(盛岡大附)と共に、東北では注目のショートストップということになりそうだ。望月が堅実で玄人ウケするタイプならば、この奥村は、派手なプレーとバネの効いた素材で魅了するポテンシャル型。けして身体は大きくないが ドラフト候補 となり得るのは、この奥村の方ではないのだろうか。 (プレースタイル) 左のオープンスタンスで構える、アベレージヒッター。特にプロの素材と言える魅力が、この選手には2つある。一つは、ボールを見極める眼の良さ。もう一つは、足腰のバネが素晴らしいという点。以上の二点が、並の高校生にはない特殊な能力としてあげておきたいポイント。 (守備・走塁面) 一塁までの塁間は、4.3秒台程度。チームの一番を務めるように、もっと速く走る身体能力はあるのかもしれない。しかしそれほど足で魅せるタイプにも見えず、走塁への意識・意欲は思ったほど高くない。けして長打力があるタイプではないだけに、三拍子の総合力が求められる。最終学年では、積極的かつ貪欲な走塁を望みたい。 遊撃手としては、身体のバネや地肩の強さはあるものの、少しそれに頼ったプレーをする印象。なんとなくまだ地に足がついていない印象で、そのせいなのか?意識の問題なのかわからないが、少しプレーが雑に見えるのは気のせいだろうか? 少なくても肉体のポテンシャルはあっても、現状上手いというほどのレベルにはない。 守備・走塁共に、もっとできる力あるだろうといった印象で、このひと冬の間に、どのぐらい目的意識を持って取り組めるかにかかっている。 (打撃内容) ボールを広く線で捉えられる、幅の広いバッティングが持ち味。夏の羽黒高校戦では、内角の球を思いっきり引っ張り長打を放つなど、どちらかというと巻き込む打撃を好む傾向にありそう。 <構え> ☆☆☆ 前足を引いた左オープンスタンスで、ボールを呼び込むスタイル。グリップは高めに添え、バットを前に傾けて構えます。腰の据わりは深く、全体のバランス・両目で前を見据える姿勢は平均的。常に身体を動かし、自分のリズムで打席に立てています。 <仕掛け> 早めの仕掛け 早めに動き出し、大きな流れの中でボールを捉えに行きます。典型的なアベレージヒッターの始動であり、いろいろな球に対処できる特徴があります。 <足の運び> ☆☆☆☆ 足を早めに引き上げ、大きくまわし込んでボールを捉えます。始動~着地までの「間」が充分取れており、速球でも変化球でも捉えやすい打ち方。ベース側に離れた方向に踏み出すアウトステップ打者で、内角を強く意識しています。 ただバットが最短距離に出て来るタイプではないので、内角の厳しい球に強いかは別の問題。内角の球を、それでも強引に引っ張り込みます。踏み込んだ足元はインパクトの際にブレないので、外角や低めの球にも喰らいつけそう。ただそういった打撃は、あまり見られません。 <リストワーク> ☆☆☆ あんなり早くから動き出すのに、バットを引くのが遅くトップを作るのが遅れるのが気になります。振り出し自体は悪くないのですが、けしてインサイド・アウトにバットが出て来るのではないので、懐にある程度のスペースが確保できないと捌ききれません。 ただその分、大きな弧のスイングが出来ているので、意外にスイング自体は強打者タイプ。それでいて、フォロースルーは使えないので、打球はあまり上がらない面白いスイングをしています。 ヘッドスピードにはそれほど鋭さがないのですが、打球は結構強いです。それでも今のスイングでは、一定レベル以上の球威・球速には少し差し込まれるのかなぁという印象を受けました。 <軸> ☆☆☆ 足を大きくまわしこんでいる間、殆ど頭が動かないのは非凡。身体の開きも我慢できていますが、軸足は少し前に突っ込む傾向があるようです。 (打撃のまとめ) ボールを線で捉えられる打撃センスと、ボールを見極められる眼の良さは、かなりの特殊能力。ただそのポテンシャルがある一方で、まだ技術や肉体面での粗さ・未熟さが残ります。まだスパンと振り抜ける「鋭さ」やスイング軌道がないですし、「強さ」を兼ね備えたスイングも物足りません。非凡な打撃の潜在能力を秘めていますが、まだその能力を充分には生かしきれていないのが気がかり。 (最後に) 走攻守すべてにおいて、まだ持ちえる才能がありながら、それを充分生かしきれていません。心技体の部分で言えば、何より「心」の部分に甘さがあるとしか言えません。このへんの意識が、最終学年になって変わって来るようだと、今後非常に楽しみな。その才能を生かすも殺すも、本人次第。 (2012年 夏) |