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笠松 悠哉(立教大4年)三塁手の最新寸評へ







笠松 悠哉(立教大3年)三塁手の下級生寸評へ






笠松 悠哉(大阪桐蔭3年)三塁 180/76 右/右 





                       「大化けの予感」





 下級生の間に、甲子園で3本塁打を放った 笠松 悠哉 。チームでは六番を打つように、それほど絶対的な存在ではない。私自身、単なるお祭り男なのかと思っていたが、この選抜で改めて、この男は只者のではないのではないかと思うようになった。


(プレースタイル)

 とにかく荒っぽい一発屋というイメージはあります。この選手、普段はそれほどホームランを打たないのですが、甲子園に来ると豹変するタイプ。とにかく思っきりの良いスイングと打球の速さは、強打者揃いの大阪桐蔭でも屈指のものがあります。

(走塁面)

 一塁までの到達タイムは、多少緩めて 4.75秒前後。これを左打者に換算しても、4.5秒前後とかなり見劣りします。新チーム結成以来の15試合で、盗塁は僅か1個。昨夏の大阪予選8試合でも0個と、基本的に走る走力や技術はないと考えてよさそう。

(守備面)

 選抜では故障者もいて、結局古巣の三塁を守りました。しかし新チームからは、二塁を任されるようになっていたようです。相変わらず三塁手としては、動きがぎこちなく危なっかしく見えます。それでも二塁をやって、15試合で失策は1個でしたから、その見た目よりはミスが少ないかもしれません。元々地肩は基準以上なので、将来的にはレフトあたりも候補になってくるかもしれません。

 現状プロを意識するのには、守備も走力も基準以下であるのは間違いありません。あとは、いかに打撃でアピールできるかでしょう。

(打撃内容)

 とにかく選抜で関心したのは、ボールに角度をつけけ運ぶのが上手いということ。これは、ある意味天性の才能だと考えます。ヘッドスピードの速さも大阪桐蔭の中でも屈指であり、持ちえるポテンシャルは極めて高いと評価します。

(打撃フォーム)

<構え> 
☆☆

 前の足を少しベース側に置いて、つま先立ちします。グリップの高さは平均的ですが、かなり体の奥にねじ込みます。腰を深く沈め、独特の構え。そのため全体のバランスとしては良いと思わないのですが、両目で前を見据える姿勢は悪くありません。癖のあるフォームの評価は難しいのですが、昨夏から構えは変わっていません。

<仕掛け> 遅すぎる仕掛け

 完全に投手がリリースを迎えてからステップする「極めて遅すぎる仕掛け」です。これだと、ある一定以上のスピードボール捌き切れるのかという疑問は残りますが、昨夏も同様のタイミングで打っていました。ただ彼の確実性が低いのは、この辺に原因があるように思います。

<足の運び> 
☆☆☆

 始動~ボール到達までの「間」が極めて少ないので、狙い球を1点に絞り、その球を逃さず叩くことが求められます。このタイミングでのステップは、近い将来修正しないと行けないのではないのでしょうか。

 ベース側にインステップするように、外角を強く意識したスタイル。レフト方向に巻き込むだけでなく、一塁方向にも強い打球は飛ばせます。それを可能にするのは、踏み込んだ足元がインパクトの際にもブレないこと。踏み込んだつま先は開き気味で腰の回転を促し引っ張りたいタイプですが、状況に応じては右方向に切り替えることが可能のです。

<リストワーク> 
☆☆☆

 始動の遅さを補う意味で、早めに打撃の準備である「トップ」の位置に持ってきて形を作ります。この選手は、特にスイングの弧が大きいとか、フォロースルーで上手く打球を運ぶタイプではありません。ただ尋常じゃない腰の回転とヘッドスピードを誇り、ボールを下から上にすくいあげるアッパースイングによって、ボールに角度をつける特殊技術を持っています。このボールを飛ばす独特の感覚を持っており、こういうスイングができる高校生は、全国にも殆どいません。

<軸> 
☆☆☆☆

 足の上げ下げが小さいので、目線は殆ど動きません。体の開きも我慢出来ていますし、軸足にも強さを感じます。軸を起点に、綺麗な回転でボールを飛ばします。

(打撃のまとめ)

 癖のあるフォームと始動の遅過ぎなのが、打撃の確実性を低いものにしています。そのためボールを的確に捉える技術・センスには欠けます。しかし尋常じゃないヘッドスピードと天性のボールに角度をつけるスイングで、ホームランを量産できます。もし良い指導者に惠まれれば、プロでもホームランアーチストで育てあげられる素材ではないかと考えます。

(最後に)

 守備・走塁に潰しが効かず、打撃も極めて癖のある素材。それだけにスカウトとしては、中々指名するのには勇気がいるタイプではないかと思います。間違っても怖くて、上位では指名できません。ただこういったタイプは、アマでチマチマ育成しても埋没してしまうので、プロの環境で育てるべきではないかと考えます。

 当然全くで終わる可能性はありますが、私ならぜひ下位で指名してみたい選手。そういったホームランアーチストとしての可能性は、2013年度のアマチュア選手の中でも、一番ではないかと評価します。


蔵の評価;
☆☆


(2013年 選抜) 






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笠松 悠哉(大阪桐蔭2年)三塁手の下級生レポート(無料)