13ky-14
若月 健矢(花咲徳栄)捕手 178/80 右/右 |
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若月 健矢(花咲徳栄3年)捕手 178/80 右/右 |
「評判通りの捕手だった」 西の森友哉(大阪桐蔭)・東の若月健矢(花咲徳栄)と評される通り、高校球界でも1,2を争う捕手が、この 若月 健矢。なるほどその前評判どおりの好捕手で、個人的にも大変興味深く映った。 (ディフェンス力) 堂々とプレースタイルは、俺について来い的な存在感がある。その割に体を小さく屈め、投手に的を大きく見えたり、審判から球筋を見えやすい体勢など周りへの配慮も忘れない。キャッチングもしっかりして、ハンドリングの勘の良さもさることながら、ワンバウンド処理では素早く重心を落とし低めの球に対応します。少々手先だけでボールを取りに行ってしまう傾向も見られますが、捕手に一番大事なボールを受け止めるということはシッカリできています。 捕手としての細やかさやリードセンスがあるかと云われる疑問が残る部分はあるものの、小さなモーションでも強い返球ができるように、地肩の強さは一級品。捕って、投げるという部分での資質は、極めて高いことがわかります。頑強な体付きも含めて、全国屈指の捕手であることは、選抜の1試合でも充分伝わってきました。 (打撃内容) 秋に打撃でも存在感を示し、一気に評価が高まります。選抜の県岐阜商業戦では、左中間スタンドに叩き込んだように、体の強さを感じます。ただノーステップで、膝を内に捻り込んでくるフォームには癖を感じます。 <構え> ☆☆ スクエアスタンスで両足を揃えますが、後ろ足に深く重心をかけて構えます。グリップを高めに添えて、重心は深く沈ませています。ただ重心を後ろ足にかけ過ぎているので、全体のバランスとしては疑問。それでも、両目で前を見据える姿勢は悪くありません。 <仕掛け> 遅すぎる仕掛け 基本的に殆ど地面から足を浮かすことがないので、どの時点で始動を始めているのかは掴み難いものがあります。早めにカカトは浮かしていますが、本格的に始動し始めているのはリリーフ直前だと判断。すなわち「遅すぎる仕掛け」だと考えられます。ボールを手元まで引きつけて、思いっきり引っ叩きます。 <足の運び> ☆☆ 始動~着地までの「間」が短く、打てるタイミングは非常に限られているように思えます。更に踏み込んだ足元もブレやすいので、基本的には巻き込んで引っ張る打撃を得意にしているのではないのでしょうか。膝を内側にねじり込んで開くので、どうしても作り出したタイミングを、途中で狂わせてしまう危険性があります。 <リストワーク> ☆☆☆ 早めに打撃の準備段階である「トップ」の形を作れています。これにより、始動の遅さを補おうという狙い。バットの振り出しは、バットを寝せて大きな弧でスイングされています。ドアスイングというほどではないのですが、けしてインサイドアウトの軌道ではありません。上手く巻き込めれば大きいのが打てるのですが、対応力に優れた打ち方ではありません。 <軸> ☆☆☆ 足の上げ下げが小さいので、頭の動きは小さく目線はブレません。体の開きが我慢できないので、センターから右方向への打撃には疑問を残しますが、軸を起点に綺麗には回転できています。ボールを追っ付けてセンターから右方向よりも、懐まで呼び込んで思いっきり腰の回転で引っ張ります。 (打撃のまとめ) 基本的には、狙った球を逃さず叩くタイプの打者です。しかしフォームに癖があり、タイミングの取り方も含めて、打てるポイントは極めて限られていることがわかります。 ボールを強く叩くことはできますが、ボールを捉えるセンス、技術的には課題を残します。それでも捕手というポジションを考えれば、許容範囲の打力はあると評価。打率は低くても、意外性のある長打でたまに活躍するタイプになるのではないのでしょうか。 (最後に) けして洗練されたタイプではないので、森 友哉(大阪桐蔭)のように、すぐ頭角を現すということはないでしょう。プロでも3年~5年ぐらいかけて、じっくり大きく育てて行きたいタイプ。プロに混ぜて育ててみたい、そう思わせるだけの資質はあります。癖があるので意見は別れるでしょうが、ドラフト会議では3位ぐらいで指名されても、全然不思議はないのでは。できれば一度、ぜひ生で確認してみたい選手でした。夏のアピール次第では、更に評価の上積みも期待できそうです。 蔵の評価:☆☆ (2013年 選抜) |