13kp-11


 




大竹 耕太郎(早稲田大4年)投手の最終寸評へ







大竹 耕太郎(早稲田大3年)投手の個別寸評へ







大竹 耕太郎(済々黌)投手 182/73 左/左 
 




                     「間違いの少ない投球」





 昨夏の甲子園でも2年生ながら好投し、選抜でもスカウト達から注目を集めたサウスポー。182センチという恵まれた体格ながら、球速は135キロ程度と物足りません。しかしそんな彼が、スカウトから注目されるのは何故なのか、今回は考えてみたいと思います。

(投球内容)

 ボールの出どころが見難いフォームであり、かつ低めやコースに丹念に集められるコントロールが持ち味。

ストレート 125~135キロ

 ボールが出どころが見難くタイミングが合わせにくいという特徴はありますが、ボール自体の球威・球速だけでなく、打者の手元までの伸びやキレにも特筆すべきものはありません。むしろウエートが乗って来ないので、かなり物足りなく感じます。特にピンポイントで絶妙なところに決まるというほどのコントロールもないのですが、痛手を喰らうような甘いところに投げ込まないのが、この投手の優れた資質。

変化球 スライダー・カーブ・スクリュー

 変化球も、相手を仕留めるような絶対的な曲がりの球はありません。ストレートとの緩急とコースを誤らないコントロールで、相手を打たせて取ることができます。そのため選抜の常総学院戦でも、9回を投げて9安打打たれながらも、2三振・無死球というのが、いかにも彼らしいピッチングであったように思います。

その他

 特に鋭い牽制で走者を刺そうといった傾向は観られず、適度に間を取ったり走者の出方を探るためのもののようです。常に一塁走者が見える左投手だけに、クィックは必ずしも毎回使ってきません。しかしクィックで投げても、1.1秒を切るような素早い投球はできます。格別動きの好い選手は見えませんが、やるべきことはしっかりできていると考えます。

(投球のまとめ)

 この投手の一番優れた資質は、ピンチになっても平常心で普段と同じピッチングができること。そのためボールの威力がなくヒットを打たれることはあっても、甘いコースに連続して行くことが少ないので、連打を浴びにくい特徴があります。

 絶対的なボール・コントロールはなくても、安定して低めやコースに集められるので大きな痛手をくい難い。更に、勝負どころで投げてはいけないところに投げ間違うことが極めて少ないというところに、高校生レベルの打線では中々捉えきれない理由があるのだと考えます。ただこれが、上のレベルの打者でも同様のピッチングができるのかは、微妙だと考えます。



(投球フォーム)

 今度は投球フォームの観点から、いろいろ見てみましょう。ランナーがいなくても、セットポジションから投げ込んできます。

<広がる可能性> 
☆☆☆

 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻を三塁側(左投手の場合は)に落とせるフォームではありません。したがって体を捻り出すスペースは充分ではないので、見分けのつきにくいカーブを投げたり、フォークのような鋭く落ちるボールを投げるのには適しません。

しかし地面に着きそうなところから、前にグィッと足を逃がす粘りがあるので、体を捻り出す時間は確保出来ています。これによりカーブやフォークといった曲がりの大きな球種以外ならば、まだまだピッチングの幅を広げて行ける可能性は感じます。

<ボールの支配> 
☆☆☆☆

 グラブを最後まで内にしっかり抱えられているので、両サイドの投げ分けは安定。また足の甲で深く地面を捉えているので、ボールも低めに押しこみやすい。また「球持ち」もよく、指先の感覚にも優れているので、間違いの少ない投球が実現できるのでしょう。コントロールに関しては、非常に素晴らしい資質を持っています。

<故障のリスク> 
☆☆☆☆

 お尻を落とせないフォームですが、負担のかかるカーブなども多くは投げませんので悲観するほどではないでしょう。また振り下ろす腕の角度にも無理はないので、肩への負担も少なそう。それほど力投派でもないので、故障の可能性は比較的低いフォームだと言えます。

<ボールの支配> 
☆☆☆☆

 「着地」までの粘りがあるので、打者としては合わにくいはず。体の「開き」も遅く、ボールが中々見えて来ないのは彼の最大の強み。この球威・球速でも相手を抑え込める最大の要因は、この見難いフォームにあります。

 腕も体に絡んで来るように、速球と変化球の見極めも困難。ただボールに上手く体重が乗せられておらず、前にグッと乗って来る感じがしません。そのためストレートが、打者手元まで来る勢いが物足りません。このフォームとコントロールに、ストレートの質が向上したら、中々突けいる隙は生まれないのではないのでしょうか。

(投球のまとめ)

 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」においては、「体重移動」を除けば素晴らしい技術の持ち主。あとは、前に上手く体重を乗せられるようになると、大きく化けそうな気はしています。


(最後に)

 大型左腕ですが、フォームが打ち難いだけでなく、コントロールに優れ、何より試合をまとめられるピッチングができる貴重な存在です。それだけに135キロ程度の球威・球速でも、スカウトから追いかけられているのだと思います。

 それでも恐らく高校から指名されることはなく、六大学などの伝統のある大学野球部に進んで、そこでの実績・内容を確認してからという判断になるのではないのでしょうか。ここで理想のステップを見つけ「体重移動」を身につけられたら、大学球界を代表するような好投手になれると考えられます。問題は、ストレートが化けるのか、この1点にかかっているのではないのでしょうか。個人的には、夏までに劇的な変化がない限りは、指名リストに入れることはないと評価します。


(2013年 選抜)









大竹 耕太郎(済々黌2年)投手の下級生寸評へ(無料)!