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平原 庸多(立教大)外野手の個別寸評へ







平原 庸多(東東京・帝京)投手 176/76 右/右 

(どんな選手?)

 ガッチリした体格から投げ降ろしてくる、中型の馬力型投手です。春季東京大会などで見た時は、三塁手としてでして、彼が投球するのを確認出来たのは、この夏の予選でが初めてでした。

(投球内容)

 球速的には、コンスタントに145キロ前後叩き出せる投手で、高校球界でもトップクラスの選手です。ただ球速表示ほど速くは感じさせない球質で、むしろこの速球を見せ球にしつつ、多彩な変化球で仕留めるタイプなのではないのでしょうか。ただ、それでも三振の多くは、ストレートで奪っております。

 変化球は、スライダー・フォーク・ツーシームなどが主な変化球のようで、これだけの球速を持ちながらも、イニング数以下の奪三振からもわかるように、詰まらせたり、的を外して討ち取るのが、身上なのでしょう。その傾向は、より上のレベルでは顕著になると思います。

 牽制は、それなりに鋭いですし、クィックも1.1~1.2秒前後と合格点です。また元々三塁も守る選手なので、フィールディングも悪くないと思います。ただ三塁手の守備を見ていて思ったのですが、肩でスローイングするタイプなので、スローイングの制球力は安定しているのかな?とも思える部分はあります。しかし際どいノーステップでのプレーなどでは強肩ぶりを発揮するのかなとも思います。

 制球は、右打者に関しては大まか両サイドへの投げ分けが出来る選手です。アウトコースに速球とスライダーを集めつつ、時々内角を突き、フォークを交えながら、最後ストレートでズバッと言う感じで。左打者に対しては、制球はかなりアバウトになりますが、ストライクゾーンの枠の中に速球を投げ込み、外から入ってくるスライダーでカウントを整えつつ、フォークを交えながら、速球でズバッと最後と言うパターンですね。

 現状、変化球は一通りあるのですが、相手の空振りを誘うような威力はなく、あくまでもコンビネーションを彩る一つの見せ球として機能している感じで、フォークがフィニッシュボールの役割は果たしておりません。

(今後は)

 ドラフト候補として見られるぐらいの力量の投手ですが、個人的には高卒プロの投手ではないかと評価しております。当然その力量からも、有力大学・社会人チームなどに進んで行けるA級の実力の持ち主であり、今後の活躍が期待されます。

 まだ細かい部分では課題も多いので、その辺を改善しながら、投手としての総合力を引き上げて欲しいですね。3,4年後にはアマで実績を残し、ドラフト上位候補として再び脚光を浴びる可能性がある選手です。その時は、文句なしの評価でプロ入り出来る選手に育っていることを、楽しみにしたいと思います。

(2009年・夏)