張本　優大（佛教大）捕手　１８１／８４　右／右

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「強肩・強打の捕手」

日米野球の代表選考会・平塚合宿で、彼が３年生の時に見たことがあります。その他、神宮大会に出場していたりと何度か見た記憶が。ただ最終学年では確認出来ませんでしたで、評価づけはできないことをご了承くださいませ。

（ディフェンス力）

　実際見たのが３年生のときだったので、ドラフト対象年度ではなく簡単にしか見ておりませんので詳細は記録しておりません。リーグでは、３年秋と４年春にリーグベストナインに選出。３年春には、全日本代表候補合宿に選出されました。

　生で見た感じでは、頑強な体格でキャッチャーらしい体つき。地肩はかなり強く、塁間１．９秒前後で到達するなど、プロに混ぜても充分やって行けます。ただスローイングの腕の振りが横から出るところがあり、その点で球筋が安定しないのではないかという不安は覚えます。

　キャッチングなどはよくわからなかったのですが、打席に入る時にバッターボックスのラインを意識せずに踏んでしまうところがあり、捕手としてはあまり細やかさというか、神経が行き届かないタイプなのかなという不安は覚えます。

（打撃内容）

　リーグ戦では、どのシーズンでも３割前後打っています。特に４年春には、２本塁打・１４打点をあげるなど、打点の多さが目立ちます。生で見ていると、パワフルでありますが、オーバーフェンスする長打力よりも、どの方向にも強い打球が飛ばせるのが特徴ではないのでしょうか。

＜構え＞　☆☆☆☆

　スクエアスタンスで両足を揃え、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスとしてはまずまずで、特に集中力が感じられる好い構え。

＜仕掛け＞　遅めの仕掛け

　投手の重心が下る時にベース側につま先立ちしますが、本格的に始動するのは「遅めの仕掛け」ぐらいに見えます。ボールをよ～く引きつけて叩くタイプであり、長距離打者が多く採用するスタイルですが、タイプとしては中距離ヒッター・勝負強さを売りにするポイントゲッターといった感じ。

＜足の運び＞　☆☆☆

　始動～着地までの「間」はそれほどなく、狙い球を絞って逃さず叩くのが持ち味なはず。ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用し、内角を強く意識したスタイル。

　踏み出した足元はインパクトの際にブレないので、アウトステップでも真ん中～高めの甘いゾーンの球に対しては、きっちり右方向にもはじきかえせます。

＜リストワーク＞　☆☆☆☆

　打撃の準備である「トップ」を作るのは遅くなく、速い球に立ち遅れる心配はなさそう。バットの振り出しにも癖がなく、インパクトまで大きなロスは感じません。バットの先端であるヘッドも下げることなく、無駄のないスイング軌道で、キッチリボールを叩けています。

＜軸＞　☆☆☆☆

　足の上げ下げも大きくないせいか、目線は安定。体の開きも我慢出来ていますし、軸足も地面から真っ直ぐ力強く伸びており、軸は大きく崩れません。調子の波の少ない、安定した打撃が期待できます。

（打撃のまとめ）

　甘い球を逃さない鋭さもありますし、対応力・力強さも悪くありません。あとは、緩急への対応などに不安を覚えますが、捕手として求められるだけの打力はあるように思います。打撃と守備ならば、打撃の方が優っているタイプではないのでしょうか。

（最後に）

　ちょっとディフェンス面があんまりわからない部分はあるのですが、可も不可もなしといった感じの捕手だったような記憶が。そして捕手に必要な頑強な体と強肩という、恵まれた資質はあります。

　打撃は地方リーグとはいえ、３割前後の安定した成績を残し、チームの中心選手として活躍。プロでも、全く打てないということはないのではないのでしょうか。問題は、捕手として信頼してもらえる、あるいはプロに混ぜた時に何か突出したアピールポイントがあるかということ。特にソフトバンクは三軍まであり人数も多いので、その中で這い上がって行くのは大変なこと。一つ一つ信頼を得て、いずれ一軍の舞台にまで昇りつめて来ることを楽しみにしています。