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西浦 直亨(法政大)遊撃 178/73 右/右 
 




                      「振り出しがいい」


 


下級生の頃まで、西浦 直亨 の打撃の良さが全くわからなかった。ドラフト候補としてはひ弱いスイング、それでいてボールをポ~ンと高く上げて、時々大きな一発を放って見せる。しかしのこの春のリーグ戦では、3本 18打点 打率.320厘 と始めてリーグ戦でも数字らしい数字を残したシーズンとなった。しかし私には再び1割台に低迷した秋のシーズンの方が、今後の可能性を感じたシーズンだった。

(守備・走塁面)

 物凄くプレーにスピード感があるとか、グラブさばきが柔らかいとかいった、目に見えて派手さはありません。しかしキャッチング・スローイングなどの安定感は、アマチュア球界でも屈指の遊撃手だと言えるでしょう。地肩も深いところから刺せるだけのものがあり、プロでも遊撃手として勝負できる素材。守備に関しては、即プロの一軍で使えるものがあります。

 一塁までの塁間は、4.45秒前後(左打者換算で4.2秒前後)とプロの基準レベルの脚力。それでもこの選手、盗塁を試みるとかそういった走塁意欲には乏しいので、プロで足でアピールすることはないと考えます。

(打撃内容)

 春に比べると、ヘッドスピードが鋭くなりました。特に甘い球が来た時に、一気に振り出す迷いのないスイングには観るべきものがあります。春のシーズンに、18打点という脅威的な勝負強さを魅せたのも頷けます。

<構え> ☆☆☆☆

 両足を揃え、グリップを高めに添えた強打者スタイル。背筋を伸ばし、全体のバランス、両目で前を見据える姿勢などまずまずで、力みもなく大きな欠点はありません。

<仕掛け> 早めの仕掛け

 投手の重心が下る時に始動する「早めの仕掛け」を採用。これは、典型的なアベレージヒッターの仕掛けです。ただその割に対応力が低いのは、仕掛け以外の部分に大きな欠点があるのではないのでしょうか。

<足の運び> ☆☆☆☆

 早めに足を引き上げて、まわしこんで打ちに行きます。始動~着地までの「間」は取れているので、速球でも変化球でも合わせやすいはず。

 真っ直ぐ踏み出した足元は、インパクトの際にブレません。これにより、外の球や低めの球にも対応できます。打球も、センターに右に左へと、広角に打ち返します。

<リストワーク> ☆☆☆

 打撃の準備である「トップ」の形を早めに作り、速い球に差し込まれないようにします。バットの振り出しは、けしてインサイド・アウトで振りぬくような、ロスの少ないスイングではありません。むしろバットが少し遠回りに軌道し、大きな孤を描いて遠心力を生かし飛ばします。更にフォロースルーの際に、グリップを高い位置に引き上げているので、ボールを遠くに運ぶことができます。けして確実性の高いスイングではありませんが、ボールが遠くに飛ぶのも頷けます。

<軸> ☆☆☆☆

 頭の動きが小さく、目線は大きく動きません。体の開きも我慢出来ていますし、軸足も大きく崩れません。軸を起点に、綺麗に回転できています。ただ少し軸足が、伸び上がってしまっているのが秋は気になりました。

(打撃のまとめ)

 恐らく打撃フォームは、春と殆ど変わっていないかと。ただバットをかなり振り込んできたのか、ヘッドスピードには磨きがかかってきました。

 元々対応力に弱さがあった選手だけに、プロでも数年は打撃で苦労すると思います。ただレベルの高いところで揉まれてきた選手ですし、いずれはは打撃もそれなりのレベルまでには来るのではないかと考えます。特に技術的に悪いとは思いませんが、もし直すとすればスイング軌道でしょう。ただこれに手をつけてしまうと、彼の持ち味でもある、独特のポ~ンと高く打ち上げる打球は減ることになりそう。

(最後に)

 春までは、打撃が物足りなく指名リストに載せるのは止めようと思っていました。しかし集中した時に振り出しの鋭さがあり、スイング自体にも鋭さを増してきたので、最低限のレベルには達したと評価します。タイプ的には、攻守に球際に強かった 進藤 達哉(大洋-オリックス)を彷彿とさせます。

 守備に関しては、本当に好いものがあるので、その辺も考慮して指名リストに載せようと思います。田中 広康(ヤクルト)も、早大時代はそれほど打撃が光る選手ではありませんでしたが、それなりの打者になりました。数年はかかると思いますが、いずれは田中とニ遊間を担う存在になりそうです。


蔵の評価:☆☆


(2013年 秋季リーグ戦)










 西浦 直亨(法政大4年)遊撃 178/73 右/右 (天理出身)
 




                 「ひ弱いのに、打球は飛んでゆく」





西浦 直亨 のスイングを見ていると、何か弱々しくてドラフト候補としては物足りない。その一方で、ボールを上手く払えた時の、ポ~ンと打ち上げる大きな打球は、独特のものがある。実際この春は、すでに3本の本塁打を放っている。イメージ的には、進藤 達哉(大洋ーオリックス)遊撃手を思い出すが、彼は体は小さかったがスイングは弱々しくはなかった。

(守備面)

むしろ西浦が一番評価されるポイントは、打撃ではない。けして物凄く打球への入りが鋭いとか、柔らかいグラブ捌きに非凡さは感じないものの、安定したボール捌きとスローイングにある。遊撃手としては、今年の学生球界でもトップクラスであり、地肩も深いところからでも刺せるなど基準以上。プロに混ぜても、ニ遊間で勝負できる。

(走塁面) 走塁偏差値 41 

一塁までの塁間は、4.45秒前後。これを左打者に換算すると、4.2秒前後と基準レベル。これを2012年度のドラフト指名された右打者の走力で偏差値化すると、彼のタイムは 41 となり、基準こそ満たすが、ややプロでは劣ることがわかってくる。極端に足を引っ張ることはないかもしれないが、足を売りにするとは考えづらい。

守備に関しては、将来的には球界でも上位の部類だと評価されるまでになれると思うが、走力に関しては平均以下といった評価に落ち着きそう。

(打撃内容)

これまで、打撃では殆ど印象が残っていません。スイングが弱いのですが、時々ポーンと大きな打球を飛ばします。

<構え> ☆☆☆

スクエアスタンスで両足を揃え、グリップを高めに添えます。腰の座り具合・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスなどは平均的。適度に体を揺らぎ、自分のリズムで立てています。特に構えに、特筆すべき点はありません。

<仕掛け> 早めの仕掛け

投手の重心が下る時に始動する「早めの仕掛け」を採用。そのため典型的な、アベレージヒッターの仕掛けではあります。

<足の運び> ☆☆☆☆

足を引き上げて、まわしこんで打ちに行きます。始動~着地までの「間」は取れているので、速球でも変化球でも合わせやすいタイプ。

真っ直ぐ踏み出した足元は、インパクトの際にブレません。これにより、外の球や低めの球にも対応できます。打球も、センターに右に左へと、広角に打ち返せます。

<リストワーク> ☆☆☆

打撃の準備である「トップ」の形を早めに作り、速い球に差し込まれないようにします。バットの振り出しは、けしてインサイド・アウトで振りぬくような、ロスの少ないスイングではありません。むしろバットが少し遠回りに軌道し、大きな孤を描いて遠心力を生かし飛ばします。更にフォロースルーの際に、グリップを高い位置に引き上げているので、ボールを遠くに運ぶことができます。けして確実性の高いスイングではありませんが、ボールが遠くに飛んで行くのも頷けます。

<軸> ☆☆☆☆

頭の動きが小さく、目線は大きく動きません。体の開きも我慢出来ていますし、軸足も大きく崩れません。軸を起点に、綺麗に回転できています。

(打撃のまとめ)

スイング自体に「強さ」「鋭さ」を感じないのが物足りませんが、上手くボールを払えた時はスタンドインできるタイプ。でもけしてスラッガーだとか、そういったことはありません。たまに意外性の一発を放つ、そんな打者になるのではないのでしょうか。

また思ったよりも技術的に大きな欠点がありませんが、ただ根本的にあまりボールを捉えるセンスを感じませんし、甘い球を見逃さない「鋭さ」にも特別なものは感じません。個人的には、打撃はプロのレベルには達していないと評価します。

(最後に)

高い守備力を背景に潰しが利くので、打撃が本格化するまで我慢できる下地はあります。ただこの打力の無さは、今後もついてまわると思います。個人的には、打撃が一定レベルに達していない選手は評価しないことにしているので、大学の間に指名リストに入れることはなさそう。それでも球団によっては、そう判断しない球団もあるかもしれませんし、秋のシーズンで大きく改善されていれば、守備が良いだけに指名リストに入れて来ることになるのではないのでしょうか。

(2013年 春季リーグ戦)








 
(どんな選手?)

 天理の4番・遊撃手を務める選手で、攻守の要的存在。奈良予選では、打率.810厘の驚異的なアベレージを残し、いよいよその才能が本格化したか?

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、4.7秒前後(左打者換算で4.4秒前後に相当)と、基準である4.2秒と比べると、かなり劣る印象がある。奈良県予選では、6試合で盗塁1個と、そのプレースタイルを見る限り、足を売りにするタイプではないようだ。

 この試合でも、あまり内野ゴロを捌く場面が少なく参考にならず。ただゲッツーをする時にスローイングを乱すなど、実際その守備力はどうなのだろう?奈良県予選では、6試合で1個と悪くはない。今後の試合で、その辺はぜひチェックしたいポイントだ。

(打撃内容)

 スクエアスタンスで、軽く揺らいで構える。足をまわし込んで打ちに行くことで、打撃の幅が出来てきた。春~夏にかけて大幅に打撃フォームをいじることで、対応力を大幅にUP。しかしこの日は、インフルエンザの影響か?スイングに鋭さがなかったのは残念。

 元来踏み込んだ足下は、しっかり踏ん張るなど、打撃技術はさすが8割打者と言う抑えるポイント抑えられている。今後の試合で、もう少し凄みのあるところを魅せて欲しい。

(今後は)

 奈良県予選含めて、もう少しじっくり見てみたい選手。特に守備面などがよくわからなかったので、その辺が気になるところ。この試合を見る限りは、ドラフト候補云々と言う凄みは感じられなかった。次回の試合に期待して、見守りたいと思います。

(2009年・夏)



(どんな選手?)

 センバツでは、天理の4番・ショートで出場。神宮大会では取り上げなかった選手で、今回初めてチェックしてみた。ただ、まだわからないことも多いので、天理の選手に関しては、もう一度じっくり見直してみたい。

(守備・走塁面)

 ちょっと、この選手のチェックが遅れたのか、守備・走塁面がよくわからなかった。確認次第、後日修正したものをリストに掲載したいと思う。

(打撃)

 右に左にセンターへとボールを強くはじき返す。特に右方向にも強い打球が打てるのが、この選手の持ち味。ヘッドスピードも鋭く、バットにボールを当てるのは悪くない。ただしミートポイントで、的確にボールを捉えているかと言われると微妙だ。

 このことは、新チーム結成以来の公式戦・練習試合の数字でも3割ソコソコであることからも伺える。やはり上のレベルの野球での活躍を意識するのであれば、高校生相手ならば4割は欲しいところ。ただ秋は殆ど気になるような選手ではなかったが、一冬超えてだいぶ成長してきたのではないのだろうか。

(今後は)

 攻守に、更なる精度向上を期待したい。そうすれば、自ずと有力大学への扉も、開かれて行くだろう。

(2009年 センバツ)