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 長江 翔太(大経大)投手 190/88 右/左
 






                       「以前に見ていた」





残念ながら今年は確認出来ていないが、彼が唯一大学生活で大きな実績をあげた 2011年度春のシーズン(2年春)の後に行われた、関西5リーグ戦対抗戦(リーグ代表のオールスター戦)を観戦した時に、彼の投球をメモしていた。記憶としては殆ど残っていないが、そのときのメモと動画を見つけたので、その動画を元にフォーム分析をしてみたい。なお今年確認出来ていないので、評価づけはしないことを了承頂きたい。

 彼が4年間で唯一実績を残したのが、2年春のシーズンの 11試合 5勝3敗 防御率 1.97(リーグ6位)の成績だった。その後は故障に泣かされて、実績らしい実績は残せず。しかし巨人や広島などのプロテストを受験し、広島のテストでは146キロを記録するなど、故障がちな体ながらもスピード能力は健在であることを証明してみせた。

(投球スタイル)

 190/88 の恵まれた体格から投げ下ろす、まさに長身の本格派といった投手。5リーグ対抗戦では、リリーフとして登場。当時のメモには、常時130キロ台後半~MAX88マイル(140.8キロ)まで到達したと記載されている。またメモにはスライダーがあるとも記載されているが、他にもフォークなどの球種もあるとのこと。

 大学時代の成績を観る限り、際立って奪三振が多いわけではないので、これといった決め手があるわけではなく、またかなり四死球が多いのが特徴。当時のメモにもまだ2年生だったのもあり、これからの投手だと記載されている。それだけ実戦力には課題が残し、荒っぽさや未完成さがあったのだろう。特に最終学年では、僅か春に1試合登板したのみで秋は1試合も登板していないなど、状態が芳しくなかったことが伺われる。

(投球フォーム)

 故障に苦しめられた大学生活だったようだが、フォーム分析を知る限り、あまり身体に大きな負担がかかりそうなフォームではなかったのだが・・・。

<広がる可能性> ☆☆☆☆

 比較的引き上げた足を高い位置でピンと伸ばせるので、甘さは残るものの一塁側にお尻を落とせます。したがって身体を捻り出すスペースは確保しやすく、カーブで緩急をつけたりフォークのような縦の球種にも適したフォームだと言えるでしょう。

 「着地」までの粘りも悪くなく、身体を捻り出す時間も確保出来ています。そういった意味では、カーブやフォークだけでなく、いろいろな球種を身につけピッチングを広げて行ける可能性は感じます。

<ボールの支配> ☆☆☆☆

 グラブは最後まで内に抱えられており、両サイドの投げ分けは安定しやすいはず。足の甲の地面への押し付けも悪くなさそうに見えます。更に「球持ち」もボールを前で放せており、フォーム全体のバランスもよく、どうして制球が悪いのか理解できません。痛みなどが常にあり、それが原因でフォームを崩していたのでしょうか?

<故障のリスク> ☆☆☆☆

 お尻を落とせるフォームなので、カーブやフォークを投げても肘への負担は少なそう。更に腕の角度にも無理がないので、肩への負担も感じません。また投球も力投派というよりは、自分の「間」でマイペースで投げる感じだったので、故障の原因がわかりません。

<実戦的な術> ☆☆☆☆

 「着地」までの粘りも悪くないので、体の「開き」も早くありません。そういった意味では、けして打者からは合わせやすいフォームではないはず。逆にコースに散っていれば、そうは痛手を喰らい難いはず。

 振り下ろした腕は身体に絡むように、腕は振れています。またボールへの体重乗せもよく、地面も力強く蹴り上げられています。190センチ台の大型右腕ですが、下半身がしっかり使える点では高く評価できます。

(フォームのまとめ)

 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」と、いずれもよく、ハイレベルな投球フォームだと評価できます。またフォーム分析をする限り、故障の可能性も低く制球を大きく乱す要因が見当たりません。2年春の大車輪の活躍後、一体何処を痛めて低迷したのでしょうか?

(最後に)

 確かに私が見た2年春の投球でも、恵まれた体格、今後の伸び代という点では期待できましたが、投手としては発展途上だったと記憶します。そこから資質を伸ばすことができなかったわけですから、あくまでも素材型の域は脱していないのでしょう。

 故障箇所・原因などもわかりませんし、現在の状況も掴めません。しかしこれだけの体格でありながら、ハイレベルな投球フォーム、下半身が使えバランスの良さは、かなりの好素材であることは間違いありません。たどってきた過程を見るかぎりプロでは厳しそうですが、素材としての魅力は相当あると言えます。密かに期待して、今後も見守って行きたい一人。ひょっとしてプロでの大化け、あるかもしれませんですぜ。






 

9分51秒付近