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岩橋 慶侍(京都産業大)投手 185/75 左/左 |
京産大1年の頃は、球速以上に感じさせる勢いのあるストレートが魅力の投手でした。しかしリーグ戦で活躍するために、制球を重視したピッチングスタイルになり、確かにコントロールは大幅に向上致しましたが、ボールの魅力は薄れました。最終学年では、そんなピッチングに変化が出るか注目していました。
(2013年 大学選手権) |
岩橋 慶侍(京都産業大3年)投手 185/75 左/左 (京都すばる出身) |
「関西で最も注目集める存在」 2013年度の関西の大学球界においては、右の 工藤 悠河(立命館大)と共に、この左の 岩崎 慶侍 が、最もドラフト候補としては注目されるはず。1年春からリーグ戦に登板し、この秋は自らの投球でチームを優勝へと導いた。 (投球内容) スラッとした投手体型が目を惹くサウスポー。 ストレート 135~140キロ強ぐらい 球速自体は、135~140キロぐらいと物足りないのですが、糸を引くような球筋の良さが魅力です。以前よりは、球威の無さや高めに集まりやすい部分も、かなり改善されてきているのではないのでしょうか。 変化球 カーブ・スライダー 変化球は、殆どは曲がりながら落ちるスライダーとのコンビネーション。緩いカーブは、あまり見られません。以前は、右打者に使う変化球がなかったのですが、外角からストライクゾーンに入ってくる外スラを上手く扱えるようになり、これを外角低めにコントロールする術も身につけました。 (投球のまとめ) 特にマウンド捌き、制球力に破綻はなく、試合を作ることが出来ています。特別微妙な「間」の取り方やコースの出し入れをするような制球力は感じませんが、大崩れしないまとまりは健在です。ただ1年春から、現在のような球は投げていたので、肉体の成長面としては極めて乏しい印象は否めません。 (成績から考える) 2年秋には防御率1位・3年秋には最優秀投手賞などのタイトルも獲得してます。通算では、40試合 18勝11敗 防御率 1.61。今回は、本格化した2年秋~3年秋までの3シーズンの成績をまとめて考察したいと思います。 この3シーズンの成績は 22試合 15勝4敗 192回 118安打 64四死球 138奪三振 防御率 1.13 1,被安打は、イニングの60%以下 61.4% △ 被安打率は、61.5% 。地方リーグの選手だけに、60% を目安にするも僅かに届かず。 まぁ、ストレートとスライダーのコンビネーションだけで、これだけ抑えられるのはある意味凄い。 2,四死球は、イニングの1/3以下 ◯ 四死球率は、ちょうど 33.3% で、イニングの1/3以下に。この数字を満たすように、制球力は悪くないが、絶妙というほどの精度ではないことがわかる。そうこの選手は、それほど細かい制球力までは有していないようだ。 3,奪三振は、1イニングあたり0.8個以上 △ 奪三振率は、1イニングあたり0.72個。基準は満たしていないが、比較的三振でアウトを取っていることがわかる。キレのある速球が空振りを誘え、スライダーに威力があるので、この球でもある程度三振が奪えるということなのだろう。 4,防御率は、1点台以内 ◯ 通算の防御率は、1.61、この3季では 1.13 と安定感を増している。これまで0点台の絶対的な数字は残していないが、リーグの最優秀防御率やこの秋は、1.04 と限りなく0点台に近い数字を残している。最終学年には、ぜひ 王台 を達成して、文句なしの内容でプロ入りを実現して欲しい。 (データからわかること) データ的には、その投球と同様で、絶対的なものがないのが気になるところ。そのためにも最終学年では、あと一歩突き抜けて欲しいという気持ちがある。それでも、目に見えてボールが変わってきているとは思わないが、投球のコツみたいなものは、確実にものにしつつあるのではないのだろうか。 (投球フォーム) ランナーがいなくても、セットポジションから投げ込みます。足はゆっくりですが、高い位置まで引き上げられ、エネルギーを捻出。軸足一本で立った時のバランスも、足を上手く二塁側に持ってきてバランスよく抱えられています。 <広がる可能性> ☆☆☆ 引き上げられた足を地面に向けて伸ばすので、お尻は三塁側に(左投手の場合)落とせません。そのためカーブで緩急をつけたり、縦に鋭く落ちる球種は適さない投げ方。 それでも「着地」までの粘りは作れているので、それ以外の球種ならばモノにできる投げ方。それだけにスライダーだけでなく、もう少し別の球種も覚えて投球を広げて行くことも期待できます。 <ボールの支配> ☆☆☆ グラブが抱えきれず後ろに抜けてしまうので、フォームが暴れて両サイドへの投げ分けはイマイチ。それでも足の甲で地面を押し付けることが出来ているので、ボールを以前よりも低めに集めることが出来ています。「球持ち」はあまり良いと思いませんし、指先の感覚も並み程度。それほど細かい制球力がないのも、このせいかもしれません。 <故障のリスク> ☆☆ お尻を落とせない投手ではありますが、カーブやフォークなどを多投しないので、それほど問題ないのでは。ただ腕の角度をみると、グラブを持っている肩は下がり、ボールを持っている肩は上がっているように、肩への負担は感じさせます。また思った以上に力投派なので、意外に消耗の激しいフォームかもしれません。故障には十分注意して、取り組んで欲しいものです。 <実戦的な術> ☆☆☆☆ 「着地」までの粘りは悪くないので、けして合わせやすいフォームではありません。「開き」も遅く、ボールの出どころも隠せているように見えます。 しいて言えば、振り下ろした腕が身体に絡んで来ないなど、意外に腕が振れていないところ。速球と変化球の見極めが、簡単についてしまう危険性があります。それでもボールに体重を乗せられているので、球速の割にボールに勢いを感じます。 (フォームのまとめ) 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「球持ち」以外は良いフォームだと思います。もう少し腕が絡むぐらいの粘っこさが出てくると、また投球の感じも変わってくるかもしれません。 (最後に) まだ投球でも、成績的にも、突き抜けたものがありません。それでもこれだけの成績をあげられるのは、ピッチングがある程度できることと、理にかなったフォームで投げることができるからでしょう。 左腕で試合が作れる存在として、今年の大学生では3本の指に入るサウスポー。もうワンランク、投球に厚みが出てきたら、上位指名も夢ではないのでは。 (2012 秋) |
岩橋 慶侍(京都産業大)投手 185/75 左/左 (京都すばる出身) |
(どんな選手?) まだ線は細いのですが、スラッとした投手体型の本格派左腕で、球筋も良く将来楽しみな投手です。この春は、9試合に登板して、2勝1敗 防御率 1.82の好成績を残しました。同じく1年生で活躍した山田 和毅(紫野出身)と共に、チームの将来を担います。 (投球内容) ストレートは、常時135~MAX87マイル(139.2キロ)を記録するなど、結構勢いのある球を投げ込んできます。ただまだ、ボールにボリューム感はなく、甘く入ると長打を食らう危険性は感じます。実際試合でも、高めに甘く入る球を痛打され、失点を重ねておりました。 変化球は、カーブ・スライダー。しかし投球の多くは、ストレートで押してきます。特に右打者には、使える変化球が少なく、その傾向が顕著になります。マウンド捌き・制球力などなど、まだまだ総合力は物足りない印象は否めません。 (今後に向けて) 身体ができてくると、将来は140キロ台をバシバシ記録してくれそうな本格派左腕です。これといった変化球や、投球センスは感じませんが、そうかといって極端にノーコンであったり、力任せで加減がわからないタイプではありません。上手くパワーアップできると、最終学年では、関西を代表する左腕として、プロからも注目される存在になれそうです。 (2010年 春季リーグ) |