12sy-5
小豆畑 真也(24歳・西濃運輸)捕手 181/85 右/右 (中部学院大出身) |
「打撃がなぁ・・・」
中部学院大時代から、強肩捕手として名前の知られていた逸材。ルーキーながら、西濃運輸の正捕手に座るなど信頼の高さが伺われます。ただ2年目の今年は、自チームは都市対抗に出場できず、補強選手としても選ばれませんでした。そのため、私自身も彼のプレーをみることが出来ないで終わりました。
(ディフェンス面)
体を小さく屈め軽く返球するなど、投手の気持ちを汲み取ってプレーする配慮型捕手。グラブも動かさないので、審判としては球筋が見えなかった時でも、信頼してストライクカウントをコールしてもらいやすい。常に周りを意識できる性格は、捕手としての適正を感じます。
しかしその一方で結構強気に内角を突いたりするので、手痛い痛打も浴びやすい傾向にあるようです。自チームが今年都市対抗に出て来られなかったのは、この大胆なリードが裏目に出た可能性も否定できません。10歳上の投手のお尻を、ピンチの時にポーンと叩くような物怖じしないプレーをするのも、この選手の性格を現している気が致します。
構えたミットを下に下げるような癖はなく、打球への反応も素早い選手。またハンドリングも柔らかいなど、キャッチングも一見良さそうに見えます。しかし大学時代から気になるのは、意外にキャッチングが上手くないこと。社会人に入りだいぶ改善されましたが、プロの鋭く・速いボールに対し、その辺の欠点が再び露呈されないか心配な部分が残ります。
最大の売りは、二塁までの塁間をコンスタントに1.8秒前後で到達するスローイングにあります。恐らくこのスローイングに関しては、入団したチームでもトップクラスに位置するはず。キャッチャーはまず肩がというプロ側の評価を考えると、その点ではA級の素材でしょう。
ただ私は、捕手はまずボールをシッカリ捕球することから始まると思っているので、その辺は少し心配。更に捕手センス抜群といわれる割には、リードに関してはこれからかなと思っています。そうやってみると、捕手としても少し時間がかかるのではないのでしょうか。
(打撃内容)
その一方で、チームの下位打線を打つ打撃は物足りません。また今年も、その打撃に大きな変化は見られなかったと訊いております。今回は、彼が1年目に出場した都市対抗の時の映像を元に、フォーム分析を行なってみたいと思います。
<構え> ☆☆☆
軽めに足を引いて、グリップを高く捕手側に添えて構えます。腰の据わり具合・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスと平均的で、もう少し自分のリズムで打席に立ちたいところ。
<仕掛け> 早めの仕掛け
早めに足を引き上げて始動する、アベレージ打者が採用する仕掛けを行います。弱い打撃を補うために、できるだけいろいろなボールに対処しようとする姿勢が感じられます。
<足の運び> ☆☆
早めに足を引き上げて、真っ直ぐ踏み込んできます。始動してから~着地するまでの「間」はあるので、いろいろな球にタイミングは合わせられるはず。ただ踏み込んだ足元がインパクトの際にブレてしまうので、外に逃げる球や低めの球に開きが我慢できず捌けません。
<リストワーク> ☆☆☆☆
あらかじめバットを引いて構えているので、「トップ」を作るのは遅れません。バットも上から振り出され、インパクトまでロスは感じません。最後までしっかり振りきれていますし、上半身の動きに大きな欠点は見当たりませんでした。
<軸> ☆☆
足を上げ下げするので、目線の動きは平均的。体の開きが我慢できず、軸足も前に崩れてしまっていて安定した打撃が期待できません。もう少し身体が突っ込まないように、軸を起点にしたスイングを心がけたいところ。
(今後は)
確かに肩は一級品ですし、捕手としての適正も感じます。ただキャッチングとリードに関しては、まだそれほどのレベルに達していないと私はみています。そういった意味では、ディフェンス面でも1,2年ファームでの育成が必要なのではないのでしょうか。
また打撃に関しては、下半身の開きが抑えられず、ここを改善して行かないと苦しいと思います。上半身の使い方などが悪くないだけに、あとは受け止める下半身の使い方次第といった感じです。ただ根本的にボールを捉えるセンスが悪いので、これがネックで大成できない可能性は最後まで捨て切れません。もし今年確認出来ていたとしても、☆ をつけるか付けないかぐらいの微妙な評価になっていたと思います。
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小豆畑 眞也(24歳・西濃運輸)捕手 181/85 右/右 (中部学院大出身) |
(どんな選手?) 中部学院大時代から、強肩捕手として名前の知られていた逸材です。ルーキーながら、西濃運輸の正捕手に座るなど信頼の高さが伺われます。 (ディフェンス面) 体を小さく屈め軽く返球するなど、投手の気持ちを汲み取って行く配慮型捕手。しかしその一方で、強気に内角を突いたり、ピンチでも10歳近く年上の投手のお尻をポンと叩いたりと物怖じしないプレーを魅せます。グラブをしっかり示し、ミットも下げません。ハンドリングも柔らかく、打球への反応も素早く対応。キャッチングもしっかりしていますし、二塁までのスローイングも1.8秒台を記録するなど、ディフェンス面には高いものがあります。 (打撃内容) その一方でチームの9番を打つように、打撃は物足りません。都市対抗予選でも、打率.190厘、本戦の打撃内容でもそうでした。 <構え> 軽めに足を引いて、グリップを高く捕手側に添えて構えます。腰の据わり具合・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスと平均的で、もう少し自分のリズムで打席に立ちたいところ。 <仕掛け> 早めの仕掛け 早めに足を引き上げて始動する、アベレージ打者が採用する仕掛けを行います。 <足の運び> 早めに足を引き上げて、真っ直ぐ踏み込んできます。始動してから~着地するまでの「間」はあるので、いろいろな球にタイミングは合わせられるはず。ただ踏み込んだ足元が、インパクトの際にブレてしまうので、打ち損じが多いタイプだと言えるでしょう。 <リストワーク> あらかじめバットを引いて構えているので、「トップ」を作るのは遅れません。バットも上から振り出され、インパクトのまでロスは感じません。最後までしっかり振りきれていますし、上半身の動きに大きな欠点は見当たりませんでした。 <軸> 足を上げ下げするので、目線の動きは平均的。体の開きが我慢できず、軸足も前に崩れてしまっていて、安定した打撃が期待できません。 (今後は) ルーキーながらスタメンを任されるなど、ディフェンスでの信頼は厚いようです。実際見ていても、ディフェンスに関してはドラフトを意識できます。 ただ打撃に関しては、下半身の開くが我慢できず、ここを改善して行かないと苦しいと思います。打撃の成長が見られれば、ドラフト候補としてマークできる素材。来春までにどのぐらい成長しているのか、注目してみて行きたいと思います。 (2011年 都市対抗) |