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宮崎 敏郎(24歳・セガサミー)内野 171/85 右/右 (日本文理大出身) 
 



                     「破壊力は社会人NO.1では」



 日本文理大時代は名前こそ知っていたが、それほどじっくり見ることがなかった 宮崎 敏郎 。しかし社会人では東京のセガサミーに進み、彼のプレーを何度も間近で見る機会に恵まれた。打席では、独特の雰囲気を醸し出し、ちょっと社会人では見られないようなボールの捌きと驚くような打球を飛ばして来る。彼の持つ独特の感性は、常識では計り知れないものがありそうだ。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、右打席から速い時だと4.3秒前後で到達する。これを左打者に換算すると、4.05秒前後。通常塁間の目安となるのは、

3.9秒弱  プロで足を売りに出来るレベル

4.0秒前後 足を売りに出来るのかは走塁センスにもよるが、プロでも俊足の部類

4.2秒前後 スカウトが、プロの基準と判断するタイム

4.3秒以下 プロの基準以下となり、割り引いて考える

と、プロレベルに混ぜても俊足の部類に入る。ただ今年の都市対抗予選でも、5試合で0盗塁。中軸を担う打順の関係もあるが、盗塁を積極的に仕掛けて来るタイプではない。動ける身体能力はあるが、足でかきまわすというプレーはあまり見られない。ちなみにこのタイムを、2012年度にドラフト指名された右打者のタイムを偏差値化すると、彼の走塁偏差値は 51 。ほぼ、平均的な走力であることがわかる。

 今年は、本職の三塁から二塁にコンバートされました。特に動きに非凡なものは感じませんでしたが、ソツなくこなしている印象。三塁手としては、打球への一歩目の反応が鋭く、広い守備範囲を誇る。少々キャッチングが危なっかしく見えるのだが、ミスの少ないプレーヤー。特に投手としても学生時代は140キロを投げていたように、深いところから強い送球ができる強肩も魅力。打撃でも守備でも、ボールに向かって行く選手なので、三塁手には向いているだろう。

 走力・守備力共に、中の上レベルの能力はありそう。ただ走力では盗塁が期待できないのと、守備では二塁となると、プロでは少し重く見えなくもない。まぁプロレベルでは、走・守は破綻のないレベルといった感じだろうか。

(打撃内容)

 雰囲気的には、中村紀洋(ベイスターズ)。打撃の独特の感性は、三冠王・落合博満氏に通じる臭いがします。上背はないのですが、ガッチリした体格からビックリするような打球を連発します。技術的にはかなり癖のある選手なのですが、そういった理屈を抜きに常識の範疇では収まらないタイプだと言えるでしょう。

<構え> ☆☆

 前の足のカカトを浮かし、少しクロス気味に立っています。グリップは下げ気味で、非常に独特の構えをします。腰の据わり具合は好いのですが、両目で前を見据える姿勢・全体のバランスなどはお世辞にもよくありません。ただ彼ならではの世界観があって、個人的には理に適ってはいないけれども、ありかなと思います。こういった感覚で打つ選手に対しては、あまり型にハメると持ち味を損なう危険性があります。

<仕掛け> 早すぎる仕掛け

 投手の重心が上がり切る頃には、大きく足を引き上げて始動してきます。これでは投球フォームでタイミングを狂わされてしまう危険性があり、その辺はどうなのかな?とは思います。ただ大学時代は、2度の首位打者を獲得したように、打球は強烈ですが本質は生粋のアベレージヒッターなのかもしれません。この選手は、大きな動きの中でボールを捉える、独特の嗅覚を持っています。

<足の運び> ☆☆☆

 足を早めに大きく引き上げて、強くアウトステップで踏み込みます。そのため真ん中~内角よりの球は、元来思いっきり巻き込みたいタイプ。ただ外角高めの球には、少しポイントを遅らせ右方向に強い打球を飛ばせます。

 特に早めに腰が逃げるフォームなのですが、踏み込んだ足元がブレません。これにより外角でも高めの球ならば、充分に右方向への打撃を可能にします。始動~着地までの「間」が取れているので、スピードの変化には強いはず。

<リストワーク> ☆☆

 バットを引くまでが遅く、打撃の準備である「トップ」を作るのが遅れます。せっかく早く始動しているのに、その恩恵がないのは残念。

 腰が早く逃げて、バットも体から離れて振り出されます。ただ徹底的に外角の球に対しては右方向への意識が持たれているので、この打ち方でもポイントを遅らせて上手く対応できています。あくまでも外角の球を右方向に打つから成り立つスイングであり、これで引っ張ろうものでボールを引っ掛けゴロの山を築きます。何処まで内角と外角の捌きの区別を徹底できるのかが、この選手の打撃を支えていると言えるでしょう。

<軸> ☆☆☆

 かなりアクションが大きく忙しい動作なのですが、昨年よりも目線が動かなくなってきました。踏み込んだ足元もブレませんし、軸足も地面から真っ直ぐ強く伸びており、軸を起点に綺麗な回転で捌けています。

(打撃フォームのまとめ)

 独特のメカニズムである打撃フォームは、昨年から殆ど変わっていません。逆にこのフォームを指導出来る指導者が、実際どのぐらいいるのかは疑問です。下手にいじって持ち味を失い兼ねませんから、打撃は本人の感性に任せた方が好いのではないかと思います。

 都市対抗のJX-ENEOS戦では、左投手の 大城 基志 投手の内角クロスを厳しく突く攻めに苦しみました。あれだけアウトステップして開くのに、内角に課題があるのかなと思ったのですが、関東選手権では内角低めの厳しい球を見事にレフトスタンドに叩き込んでいました。そのボールの捌きは、圧巻。この選手は、非常に低めの難しい球を捌くのが上手い選手。身体に力があり内角を強引に引っ張って来るので、スタンドインする打球も珍しくありません。今年の都市対抗・日本通運戦でも、逆転本塁打を放ち活躍しました。

(最後に)

 ボールの捌きと放たれる打球は、ちょっとアマではあり得ないようなバッティングを魅せます。ルーキーイヤーからその片鱗は感じておりましたが、2年目を迎えた今年、その才能は遺憾なく発揮されるようになりました。個性を尊重してくれる球団ならば、彼は物凄い打者に化けるかもしれません。社会人でこういう天才肌の選手を見たのは、今までで始めてかも。プロで、どんな活躍を魅せてくれるのか非常に楽しみです。ドラフトの前日、たまたまセガサミーの試合を観ていたのですが、まさかご贔屓球団のベイスターズが指名するとは思いもしれませんでした。今年のドラフトで、最も嬉しい指名だった言えるでしょう。彼の個性を、ぜひ尊重して欲しいものです。

蔵の評価:☆☆☆

(2012年 関東選手権)







宮崎 敏郎(24歳・セガサミー)内野 171/85 右/右 (日本文理大出身)





 
                 「独特の世界観を持っている」





 個性的な打撃フォームで、独特の雰囲気を醸し出す 宮崎 敏郎 。日本文理大から入社して、いきなりセガサミーの三塁手のレギュラーを確保した。思いっきりの好いスイングで、社会人では貴重なアグレッシブな攻撃を魅せる。

 厳木時代は、全国的には無名も高校通算24本塁打で注目される中、最後の夏は緒戦で敗退。しかし日本文理大では、一年からレギュラー。2度の首位打者・3度のMVPを獲得するなどリーグの看板打者になり、大学選手権などにも出場。個人的には、荒削り過ぎたのか?名前こそ知っていたが、気に留めたことのない選手だった。

(守備・走塁面)

 都市対抗では、残念ながら走塁を計測する機会はありませんでした。50メートル6秒1の俊足だと言われますが、実際の試合の中ではあまり盗塁は見られません。走力はあっても、盗塁の技術や意識は低いのではないのでしょうか。

 打球への一歩目が早く、守備範囲が広い選手。投手としても140キロ台の速球を投げていたという話もあり、かなりの身体能力の持ち主。この身体能力を活かし、二年目の今年はニ遊間などの守備的負担の大きなポジションで、アピールするなんて話もあるぐらいです。三塁手としては、中の上レベル以上はあるのではないかと思います。予選の6試合でも0失策と、安定感も悪くなさそうです。

今年は、もう少し守備・走塁も含めて、どのレベルなのか見極めて行きたいですね。

(打撃内容)

 都市対抗では、徹底的に右打ちを仕掛けてきました。右方向に、強い打球が打てるのが最大の特徴。しかし関東選抜リーグで何試合か観たときは、三遊間に引っ張る打球も少なくありませんでした。基本的に、広角に打ち返す強打者といった感じです。

<構え>
 ☆☆

 前の足のカカトを浮かし、少しクロス気味に立っています。グリップは下げ気味で、非常に独特の構えをします。腰の据わり具合・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスなどはお世辞にもよくないのですが、彼ならではの世界観があって、個人的には理に適ってはいないけれども、ありかなと思える個性的なフォーム。

<仕掛け> 早すぎる仕掛け

 投手の重心が上がり切る頃には、大きく足を引き上げて始動してきます。これでは投球フォームでタイミングを狂わされてしまう可能性があり、その辺はどうなのかな?とは思います。ただ大学時代は、2度の首位打者を獲得したように、打球は強烈ですが本質は生粋のアベレージヒッターなのかもしれません。

<足の運び> 
☆☆☆

 足を早めに大きく引き上げて、強くアウトステップで踏み込みます。そのため真ん中~内角よりの球は、元来思いっきり巻き込みたいタイプ。ただ外角高めの球には、少しポイントを遅らせ右方向に強い打球を飛ばせます。

 特に早めに腰が逃げるフォームなのですが、踏み込んだ足元がブレません。これにより外角でも高めの球ならば、充分に右方向への打撃を可能にします。

<リストワーク> 
☆☆

 バットを引くまでが遅く、打撃の準備である「トップ」を作るのが遅れます。せっかく早く始動しているのに、その恩恵がないのは残念。

 腰が早く逃げて、バットも体から離れて振り出されます。ただ徹底的に外角の球に対しては右方向への意識が持たれているので、この打ち方でもポイントを遅らせて上手く対応できています。あくまでも外角の球を右方向に打つから成り立つスイングであり、これで引っ張ろうものでボールを引っ掛けゴロの山を築きます。何処まで内角と外角の捌きの違いを徹底できるのかが、この選手の打撃を支えていると言えるでしょう。

<軸> 
☆☆☆

 かなりアクションが大きく忙しい動作なので、目線が動きます。ただ体の開きはある程度のところで我慢できていますし、軸足には強打者らしく強さが感じられます。

(打撃のまとめ)

 恐らく高校時代から、自由に打たされてきて、それでも結果を残し続けることで、今のスタイルを確立したのでしょう。技術的な観点からすれば、ツッコミどころ満載です。

 しかしもうこの年令ですから、彼のボールを捉えるセンスと、独特の「間」や雰囲気を個性だと捉えて評価したいと思います。無理に外角の球を引っ張ろうという意識を持たなければ、結果は出るタイプだと思います。ボールに向かって行く姿勢も素晴らしいですし、非常に攻撃的な打撃をします。

(今後は)

 社会人でも数少ない、スイングに強さを感じる選手です。ボールにもガンガン向かってゆきますし、右方向に強く打てる打者は貴重です。技術的な粗さを、感覚の良さと気持ちの強さで補います。こと打撃だけ見ていると、プロの素材という気が致します。

 ただけして長距離砲でもない彼が、三塁というのはモノ足りません。やはりプロとしては、ニ遊間や外野などが出来るんだという確信は、指名するなら持ちたいところ。強肩・俊足の身体能力があるので、その点はあまり心配ないのでは。あとは、ニ遊間をどの程度のレベルでこなすことができるかで、指名への有無・評価も変わってきます。個人的には、社会人でチマチマプレーするのに適したタイプではないと思うので、プロに進んで欲しい一人です。そのための総合力が問われる一年となるでしょう。

(2011年 都市対抗)