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大滝 勇佑(地球環境)中堅 182/77 右/右 
 



                  「守備・走塁はプロ級」



地球環境の4番打者として、今春のセンバツに出場。180センチの大型野手ながら、高い身体能力を売りにしている。プロ志望届けも提出しており、ドラフト会議での行方が注目される。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間を、右打者ながら4.25秒前後で走る抜ける俊足の持ち主。これを左打者に換算すれば、4.0秒を切るような脚力の持ち主。更にセンバツでは、二盗・三盗 を魅せるなど、思いっきりの良い走塁もが光りました。この夏の長野予選では、セーフティバント時に右打者ながら、3.9秒前後を記録。まず走力に関しては、上のレベルでも充分通用するだろう。ちなみに、このタイムを2012年度のドラフト指名された右打者のタイムを偏差値化すると、彼の走塁偏差値は 53 となり、平均を上回っていることがわかります。

 この俊足を生かし、守備範囲も広い。キャッチングにはやや迷いが生じ判断の甘さを感じる時があるものの、高校生の外野手としては上手い部類。またテイクバックこそ小さいので、長い距離への送球に不安が残るものの、地肩も中の上レベルはあり総合力は高い。

こと守備・走力のポテンシャルは、プロでも充分やって行けるだけのものがある。



(打撃内容)

 地球環境の4番を任されているだけあって、打球にも鋭いものがあります。基本的には、それほど打球が上がるタイプには見えませんし、その打球もセンターからレフト方向に集中するタイプではないのでしょうか。

<構え> ☆☆☆

 スクエアスタンスで両足を揃え、グリップを高く添えた強打者スタイル。それほど腰は座らず、両目での見据え方、全体のバランスと平均的な構えだと言えよう。

<仕掛け> 早めの仕掛け

早めに足を引き上げて回しこむように、アベレージ打者の傾向が強い打者です。

<足の運び> ☆☆☆

 足を軽めにあげて、回しこんできます。そのため速球でも変化球にも対応しやすい打ち方であり、緩急の変化には合わせられるタイプ。ベース側にインステップして踏み込んで来るので、外の球を強く意識しています。

 しかしその割に、インパクトの際に足元がブレてしまうなど、身体の開きが充分我慢出来ていません。基本的にセンターからレフト方向へのスイングであり、右方向に打ち返すのには向いていません。現状甘い外角の球は引っ張れますが、外に逃げて行くスライダーや低めの球に対しては捌き切れないのではないかと考えられます。

<リストワーク> ☆☆☆

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのが、少し遅れ気味。せっかく早く始動している割に、もったいない気が致します。バットを上からミートポイントまで振り降ろして来るので、ボールを捉えるまでにロスは感じません。しかしバットの先端であるヘッドが下がるので、ボールを捉えた時の接地面が小さく、フェアゾーンに落とせる確率を損なっています。それでもヘッドスピードや打球の鋭さはあるので、けしてスイングに、ひ弱さは感じられません。

<軸> ☆☆☆

 足の上げ下げが静かなので、目線は大きく動かず。軸足も地面から真っ直ぐ伸びており、綺麗な軸回転で打てています。あとは、身体の開きが我慢できない下半身を盤石にすれば、打撃も安定してくると思います。



(最後に)

 守備・走力のポテンシャルは高いので、意外に面白い素材だと考えます。打撃は、ボールを捉えるセンスに特別ものは感じられず、ドラフト候補としては物足りません。ただ開きの我慢とかヘッドが下るのだったりと、比較的短時間で修正は可能なところです。問題は、そういった部分を改善できた時に、どのぐらいの打力を示せるかでしょう。ひょっとすると育成枠あたりなら、指名があるかもしれません。

(2012年 夏)