13dy-9 180/78 右/右 (桐蔭学園出身)
 桐蔭学園時代から、強肩・強打の外野手として知られていた大型外野手。日米大学メンバーに選出されたり、リーグでは初のベストナイン獲得。神宮大会では4番に座るなど、今年は飛躍の一年となりました。

(守備・走塁面)

 最大の売りは、プロでも売りにできるであろう強肩を生かしたスローイングにあります。特に守備範囲が広いとか、キャッチング物凄く上手いとは思いませんが、この肩でアピールできる選手。

 一塁までの塁間は、4.5秒~4.65秒ぐらいですから、左打者に換算すると4.25~4.40秒ぐらいと、ドラフト候補としては中の下ぐらいの脚力。実際秋のリーグ戦でも、13試合で1盗塁しか記録していないなど、足を売りにするタイプではありません。

(打撃内容)

 ボールをよ~く引きつけて、小さなアクションでも大きな反発力を生み出す強打者タイプ。その割に送りバントなどの小技もできますし、率が残せるのも特徴。この秋は、2本 16打点 打率.367厘 と好成績を残しました。ただ試合を見るかぎりは、少し固いというか柔軟性には欠ける印象を受けます。

(打撃フォーム)

 仕掛けがリリース直前と極めて遅いために、足の上げを小さくして対応します。ただこの選手の良さは、ベース側にインステップした足が最後までブレないこと。これにより外の球でも開かずに捌くことができます。ただ打球が、意外にショート側に引っ張る打球が多く、ボールを引っ掛けていることが多いような気がします。もう少し右方向への打撃が徹底できると好いのですが。

 始動は遅いのですが、「トップ」を作るのも遅れないことで補っています。特に大型ですが、バットの振り出しがよくボールを捉えるまでにロスの少ないスイングができている。ボールを捉えた後も、大きな弧を描きつつ最後までしっかり振りきれています。

 動作が小さい分、目線のブレが少ないフォーム。開きも我慢でき、軸足にも強さを感じます。体軸の安定感が、素晴らしいと思います。


(将来に向けて)

 足元の安定、ロスのないスイング軌道・ブレない軸などが、彼の素材としての固さ・脆さみたいなものを、上手く補えている気がします。

 肩という明確な武器があり、守備でもアピールできる選手。走力がないのは残念ですが、そのぶん強打で補ってゆくタイプだと思います。

 強打者ながら、率も残し小技もできるという貴重な存在。これから更に上のレベルを目指し、打撃に幅が出てきたら大学からプロに入れる素材ではないのでしょうか。


(2011年 神宮大会)