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加藤 翔平(上武大)中堅 181/81 右/両 (春日部東出身) 
 



                      「ピンとは来ないが」



生で何度も見ていても、何かピンと来るインパクトはない。しかし見る試合、観る試合でヒットを放ち、しっかり結果を残すところはさすが。一年春からリーグ戦で活躍し、三拍子バランスの取れたプレーヤー それがこの 加藤 翔平 だ。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、3.85~4.1秒ぐらいと、普通のゴロでも4.0秒を割って来ることなども少なくなく、かなりの脚力だと言えよう。実際試合を見ていると、そこまで足を全面に出すプレースタイルではなかったようにも思えたのだが、今春は自身初の盗塁王にも輝くなど意識も変わっている。

 中堅手としても、なかなか安定。この脚力を生かした守備範囲は広いし、地肩も平均レベルはある。極端に肩が強いとか弱いとかいうことはなく、中堅手らしく守備範囲の広さを売りにしたタイプ。

 守備・走力に関しては、プロレベルに混ぜても中の上レベルはあると見て良いだろう。ただまだ売りにできるといったほどの、絶対的な領域には達していない気がする。

(打撃内容)

 今春のリーグ戦では、リーグ2位の打率.400厘をマーク。自身3度目のベストナインを獲得。特に3月に行われた 大学選抜VS社会人選抜 では、代打ながら強烈当たりでヒットを放ってみせた。ミート力がありながら強い打球が打てるのが、一つ彼の大きな強味だと言えよう。

<構え> ☆☆☆

 前足を軽く引いて、グリップを下げ気味に構えます。腰の据わり具合・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスなどは平均的で、力みなく打席に立てているところが良いところ。

<仕掛け> 早すぎる仕掛け

 投手が重心を下げ始める前に始動し始めるので、まだ投手が投球フォームを変えることが可能であり、それによりタイミングを狂わされる可能性があります。そのためプロレベルだと、ここまで早い始動をする選手は殆どいません。もし動き出すのならば、投手が重心を下げ始めてからでも遅くないように思います。

<足の運び> ☆☆☆

 始動~着地までの「間」は充分あるので、速球でも変化球でも合わせられるタイプ。踏み込んだ足元もインパクトの際にブレないので、外の球や低めの球でも開きを我慢して捌くことができます。

 ただ左打者がインステップすると、どうしても一歩目のスタートが遅くなりますし、右投手のクロスに食い込んで来る内角よりの球に、食い込まれるケースが増え打率があがりません。彼のようなアベレージヒッターは、真っ直ぐからアウトステップに踏み出すのが一般的。

<リストワーク> ☆☆☆☆

 打撃の準備である「トップ」を早く作り、上からロスなく叩きます。ボールを捉えるまでのスイングに無駄はありませんし、ボールを捉えてからも大きな弧を描いて振り抜けています。

 けして最短距離に叩くだけでなく、強く・鋭く・大きくもスイングできているので、上半身の使い方には非常に優れています。

<軸> ☆☆☆

 足を上げ下ろしますが、目線は大きく動きません。体の開きも我慢出来ています。ただスイングの際に軸足の形が傾いているので、前に突っ込んだり窮屈になったりしているのではないか? そんな不安はよぎります。

(打撃フォーム)

 ボールを捉える感性や肉体的資質に優れているというよりは、技術的にシッカリしたものを持っているという気がします。ただスイングにひ弱さはなく、ヘッドスピードや打球の鋭さはまさにプロ級です。

(最後に)

 走塁への意識を強めつつあるのですが、守備・走力・打撃共に、中の上タイプかなという印象はあります。こういった左の外野手はプロで余剰気味になるので、よほど何か図抜けた特徴がないと、指名されにくいタイプ。そう考えると実力はファームでもソコソコやれそうでも、社会人に流れる指名されても育成枠ぐらいかなという印象は受けました。果たして秋のドラフト会議では、どんな判断がくだされるのでしょうか? 個人的には決め手に欠けるだけに、社会人の方がいいという判断に至りました。


(2012年 大学選手権)









加藤 翔平(上武大)中堅 181/81 右/両 (春日部東出身) 
 

(どんな選手?)

 一年生の頃から、リーグ戦で活躍。個人的にはピンとあまりこないのですが、結果を残してきた選手です。大学選手権では、4番・中堅手として出場。今春のリーグ戦では、0本 5打点 打率.308厘の成績でした。

(守備・走塁面)

 スイッチヒッターですが、右打席でも4.1秒前後(左打者換算で3.8秒前後)で走り抜けるなど、大型ですが非常に脚力があります。この試合でも、すかさず盗塁を決めるなど、四番でも積極的に足を活かしてきます。

 この試合では守備に関しては、正直打球もほとんど飛ばず詳細はよくわかりません。ただその身のこなし、バックアップなどを観ていると、それなりに上手そうには見えます。自慢の脚力を活かし広い守備範囲を誇るのでしょうから、打球への勘やキャッチングがどのレベルなのか、ぜひ今後は確認してみたいところです。

(打撃内容)

 一年生の頃から結果は残すのですが、何か特徴があるとか、非凡なものが何なのか私にはわかりませんでした。そこで今回は、フォーム分析をして考えてみたいところ。前足を引いて、グリップを体の近くに添え、捕手側にあらかじめ引いて構えます。以前は「遅すぎる仕掛け」を採用しておりましたが、今は「早めの仕掛け」を採用することで、アベレージ打者としての傾向が強くなってきました。足を地面をなぞるように動かし、少し真っ直ぐ~ベース側に踏み込みます。踏み込んだ足下は、インパクトの際にブレないでスイングできるなど、大きな欠点は見あたりません。打てるポイントの多い打撃を、上手く実践できているのではないのでしょうか。

 打撃の準備段階であるトップを、きっちり取れないまま振り出す傾向があります。ただバットの振り出しの角度はよく、インパクトまでのロスは感じられません。4番打者ですが、大きな弧を活かした強打者と言うよりは、無駄を廃しロスのないスイングで振り抜くタイプの打者です。頭のブレも小さく開きも我慢でき、軸足も大きくは乱れません。少しステップが狭いので、センターライト方向に引っ張る打球が多いのではないのでしょうか。せっかくベース側に踏み込んでいるので、レフト方向への打球も増えると、もう少し打撃の幅が広がりそうです。

(今後は)

 走力があるのは間違いないと思うので、あとは守備がどのレベルなのか見極めたいところ。打撃も技術的にはしっかりしているので、甘い球を見逃さない隙無しの「鋭さ」が出てくるとドラフト候補として注目されるかもしれません。ぜひこの秋~そして来年へと、その成長を期待して見守って行きたいと思います。

(2011年 大学選手権)



(どんな選手?)

 個人的には、あんまりピンとは来ないのですが、見に行く試合、見に行く試合、結果を残している一年生です。神宮大会では、一番・中堅手として試合に出場しておりました。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、4.1秒前後で到達。右打席でのタイムなので、0.3秒引くと、おおよそ左打席でのタイムが求められる。そう考えると塁間は3.8秒前後に相当し、相当な脚力の持ち主と言うことになる。試合を観る限り、そこまで足を売りにするタイプには見えないが、出塁すれば盗塁を試みるなど、やはり総力はかなりあると見て良いのかもしれない。

 残念ながら、この秋3試合見ているのに、この選手の守備に関しては気にして見ておりませんでした。したがって守備に関してはよくわかりませんし、地肩についてもよくわからず。今後の観戦の際には、注意してみたいと思います。

 私の見方が悪く、守備・走塁が、いったいどのレベルなのかよくわからない。この辺は、今後の大いなる課題。ただ今後は、関甲新リーグを背負って立つ選手だろうから、長い付き合いになりそうだ。

(打撃内容)

 基本は、広角に打ち返す中距離タイプの強打者。前足を軽く引いて、かかとを浮かして構える。投手の重心が下がって来る時に、足をベース側にもっていってから、投手のリリース時に再度ステップすると言う「遅すぎる仕掛け」を採用しているのだが、トップを作るのが早いので、それほど立ち遅れることも少なそうだ。

 足の上げも小さく、足を浮かしてから着地までの時間が短いので、打てるポイントは限られているのだろう。真ん中~外角よりの球を好む傾向がが強く、真っ直ぐ踏み出した足は、インパクトの際にもブレない。そのためしっかり捉えた球は、打ち損じなく叩くことが出来ている。

 打撃の準備段階であるトップ(バットを振り出す位置)を早めに作り、非常に浅いものの、そこからロスなく振り出すのが特徴。最大の良さは、上からコンパクトに振りぬけ「トップ」~「インパクト」まで小さくかつ、無駄のないスイングが出来、それでいてフォロースルーまで、しっかりバットを振り抜くことができるスイング軌道の良さにある。

 けしてボールを遠くに運ぶタイプではないが、しっかり振り切れるので、打球が飛んで行く良さがある。頭のブレも小さく、体の開きも抑えられている。ややステップが狭めなので、巻き込むようなスイングは良いのだが、少し右方向への打撃には無理があるのかなと言う印象はある。それでも打球は、結構右方向へも飛ばすことが出来ている。

(今後は)

 広角に打てる選手ではあるが、それほど打撃に柔軟性を感じるタイプではない。ただ甘い球を逃さず、しっかり振り切ると言う良さがあり、実戦に強いタイプだ。関甲新リーグを代表する打者として、今後も注目されてゆく存在だろう。守備・走塁の技術も磨き、将来のドラフト候補になれるような活躍を期待してみたい。

(2009年・神宮大会)