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 飯田 優也(東農大生産学部)投手 185/86 左/左 (神戸弘陵出身)
 



                  「メモにも記していない」



昨年の大学選手権で、2試合ほどリリーフで登板した 飯田 優也 。長身でスラッとした左腕がいたことは、私の記憶の中でもうっすら残っている。しかし昨年の大学選手権の映像は、HDDレコーダーの破損で手元に残っていない。当時の観戦メモには、他の東農大の投手達にチェックは入っているが、この選手には一切記載が残されていなかった。それだけこの選手には、オッと思える程の魅力を感じなかったからだろう。

(それもそのはず)

 長身ながら、それを生かし切れない肘を下げたスリークオーターで、球速は130キロ前半~MAX137キロの球速しか出ていなかったそうだ。大きな身体を持て余し気味で、変化球もストレートも、ピリッとしていなかったような記憶がある。

 実際に投球の内容も、初戦の横浜商科大戦では、1回1/3イニングで、1安打・1奪三振・2四死球 。続く慶応戦では、1安打・2四球で ワンアウトも取れずに降板している。この内容では、よほど何か光るものを感じない限り、メモすらしなかったのは仕方ないだろう。



(今年になって変わったのか)

 最終学年に入り、春の開幕戦・函館教育大戦で先発。7回 3安打 12奪三振 無失点に抑え、MAX142キロを記録し注目を浴びたという。しかし春のリーグ戦成績をみると、投手の防御率ベスト6に彼の名前はない。秋も先発などしているのだが、投手ベスト6に彼の名前はない。このことからも、急激に成長したからの指名なのか? と言われると、数字の上からは考えにくい。

(では何故指名されたのか?)

 ここからは全く私の推測であるが、MAX142キロを記録したように、ストレートの大幅な成長はあったのではないかと考える。しかしまだ課題であるコントロールや多彩な変化球を、充分に投球の中で活かせる段階までには至ってはおらず、素材型の域は脱していなかったのではないのだろうか。そのぐらいの素材的魅力がなければ、このぐらいの実績では、そう簡単に指名されるはずがない。少なくてもプロとしては、課題の克服が期待でき、素材としての面白味を感じたからこその指名ではないのだろうか。

(最後に)

 昨年の映像が見つからず、フォーム分析もできず。リーグ戦での実績らしい数字も見当たらず、成績の上からも判断ができない。このような状況で作成したレポートなので、皆様には大変申し訳なく思っています。逆にこの限られた情報の中で、実際のプロでどんな成績を残したり、プレーを魅せてくれるのか、比較して見るのを個人的には楽しみにしております。ウエスタンの選手ですが、ぜひ何処かで確認したいですね。