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亀澤 恭平(ソフトバンク)内野手のルーキー回顧へ



 亀澤 恭平(23歳・香川OG)遊撃 174/73 右/左 (作陽-環太平洋大出身)
 




                        「送ってもらっていた。」





 今年私は、2月に四国アイランドリーグ選抜と阪神との交流戦を、そして7月にアイランドリーグ選抜が、3試合ほど関東に遠征してきた試合を観戦した。そのいずれの試合にも、亀澤 恭平 の出場はなかった。

 そこで昨年の神宮大会に出場していたので、当時の映像を探したが、この試合だけは見つからない。更に一昨年、マスカットスタジアムでリーグ戦を観戦しているはずだが、その時のメモも見つからなかった。そのため彼が、どんな選手だったのか?どうしても思い出すことができないのである。一日中部屋の中のビデオとメモを探し疲れ果てていると、この夏の高校予選と合わせて、アイランドリーグの映像を送ってくれたことを思い出す。しかしそれは、確か 高知VS愛媛 の試合だったはず。しかしその試合の映像の次に、香川の試合の模様も1試合、収録して頂いているではないか。この試合により、アイランドリーグで今年指名された全野手が網羅されており、私が今年見られなかった選手達のプレーも確認できることとなった。その中には当然、この 亀澤 恭平 の姿も収まっている。

(経歴)

 環太平洋大時代は、2番・遊撃手として神宮大会・神奈川大学戦に出場し、2本のヒット・1盗塁・1犠打を記録。左のコンパクトヒッターとして活躍。環太平洋大を卒業した今年からは、アイランドリーグに入り

64試合 3本 21打点 26盗塁(2位) 打率.303厘

をマークしている。残念ながら打率10傑には入らなかったが(10位の選手が.309厘)、ルーキーとしては悪くない成績だった。


(守備・走塁面)

 残念ながら私が観戦した試合では、打球は殆ど飛んで来なかった。そんな数少ない守備機会の中で、三遊間に抜ける当たりをダイビングキャッチ。そこから素早く立ち上がり、深いところからアウトにする超ファインプレーを見せてくれた。元々打球への一歩目が早く、かつ堅実な守備を売りにしているという選手。際立つ強肩や素晴らしい身のこなしをする選手ではけしてない。それでも身の丈にあったプレーをする選手といった印象を、この試合を見るかぎりした。

 一塁までの塁間を、勢い多少緩めて4.2秒前後。セーフティバントで早く一歩目をスタートすると3.8秒台。更に少し道中緩めても三塁打などでは、11.8秒前後で到達するなど、脚力はそれなりだ。ハッキリしたタイムは計測出来なかったが、恐らく4.0秒前後で走るのがこの選手の走力であるように思える。今シーズンは、アイランドリーグ2位となる26盗塁を記録。これは、過去プロ入りしていった先輩達と比べても、それほど図抜けた数字ではない。そう考えるとNPBに混ぜても俊足だとは思うが、そこまで図抜けた走力かと言われると微妙だろう。それでも年間20盗塁ぐらいの、潜在力はありそうだが。

 こうやって見てみると、守備・走力に関しては、絶対的なものは感じないものの、一軍でも通用するだけのレベルにはあるのではないのだろうか。当然ファームレベルならば、それなりの数字も期待できよう。やはりこの選手の問題は、打撃にあるように思える。


(打撃内容)

 左のコンパクトヒッターで、センター中心にはじき返す打撃が特徴。普通の人が届かないような低めの球でも、当たってしまう特徴がある。しっかりポイントまで引きつけて叩くと言うよりは、型を崩してでも体ごとボールに当たり行くようなタイプの打者。そうかといえ、高めの球を逃さない「鋭さ」も併せ持つ。

<構え> 
☆☆☆

 前足を軽く引いて、カカトを浮かして構えます。グリップの高さは平均的で、少し捕手方向にグリップを引いて添えます。腰はそれほど深く据わらないのですが、両目で前をしっかり見据えられており、自分のリズムを刻んで力まず立てています。

<仕掛け> 遅めの仕掛け

 開いていた足を、一度ベース側に戻し爪先立ち。そこから小さくステップして、始動し始めます。そのタイミングが「遅めの仕掛け」あたりで動いており、動作が立ち遅れるほどではありませんでした。ただこういった二段階に始動する選手の特性は、最初に動き出した段階で決まるようで、実際には投手の重心が下がる途中で始動する、アベレージ打者の傾向が強い選手だと考えます。実際のプレーも、そういったタイプです。

<足の運び> 
☆☆☆

 足を軽くステップして、少しアウトステップ気味に踏み込みます。足を上げてから着地するまでの「間」は短いので、打てる球は限られます。そのためあらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さない「鋭さ」が求められます。

 少しアウトステップに踏み込むことからも、真ん中~内角よりの球は引っ張りたいタイプです。それでも踏み込んだ足元はブレないので、外角の球や低めの球について行くことができ、三遊間にも転がすことができます。

<リストワーク> 
☆☆☆

 あらかじめグリップをトップの位置に添えているので、「トップ」を作るのは遅れません。ただ振り遅れる心配はないのですが、「トップ」自体が浅いところから振り出されるので、打球の「強さ」が物足りません。

 バットは、上からミートポイントまで最短距離で振り下ろされており、ボールを当てるのは上手。ただバットをしならせるようなスイングではないので、打球に「強さ」や「鋭さ」が物足りません。それでもボールを捉えるときにも、バットの先端が下がらないようにヘッドを立てることを心がけ、ボールをフェアゾーンに落とせるスイング。スイング軌道にはロスがないだけに、プロの球でも打ち返せるようなプロ仕様のスイングを、いかに身につけられるかでしょう。

<軸> 
☆☆☆

 足の上げ下げは小さいので、目線はブレずに安定しています。また足元のブレも我慢できているので、開きも抑えられています。しかし軸足が前に崩れるように、自ら突っ込んでボールを捉えるので、どうしても安定感に欠けるのかなという印象は否めません。しかし球の落ち際を叩けるような独特の前捌きは、彼の真骨頂なのかもしれません。

(打撃のまとめ)

 通常じゃ届かないような低めの球でも当ててしまうように、ミート力には高いものがあります。しかし返ってそれが届いでしまうがばかりに、ボールを引っ掛けることも少なくないようです。また無駄をそぎ落とすことに終始したスイングなので、プロレベルの球威・球速のある球に、力負けするんじゃないかと言う不安は拭えません。やはり打撃に関しては、かなり苦労することが予想されます。


(今後は)

 超A級ではありませんが、守備・走力には、それなりのものがありそうです。またバットに当てる能力も高いのですが、プロの球に対応できるだけのスイングを習得できるのかが、最大のポイントになるのではないのでしょうか。

 ただまだ大卒1年目の23歳であることを考えると、今後の成長にも期待が持てます。果たして確かな打力を身につけ、一軍までに昇り詰めるのか、今後の成り行きを見守りたいと思います。残念ながら、指名リストに載せるほどのインパクトはありませんでした。


(2011年 公式戦)