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小石 博孝(西武)投手のルーキー回顧へ




 小石 博孝(24歳・NTT東日本) 投手
 




                                「再び浮上!」





 立正大時代、左の変則投手として異彩を放っていた 小石 博孝 。4年春のシーズンで存在感を高めたものの、秋のシーズンはイマイチで、結局社会人・NTT東日本に入社することに。ルーキーイヤーだった一年目は、公式戦21試合に出場して 防御率1.70と、その力の片鱗を魅せてくれた。再び、プロへの解禁となる社会人2年目。公式戦となる関東選抜リーグで、その勇姿を確認した。



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小石 博孝(24歳・NTT東日本)投手 [投票] 


(投球内容)

左の腰高のサイドスローのようなスリークオーター。左打者の背中から来るような独特の球筋と、着地のタイミングをギリギリまで遅らせ、ボールの出所をこれでもかと隠す実戦重視のフォーム。

それでも立正大の頃は、コンスタントに130キロ台後半~140キロ台中盤のストレートを投げ込んでいた。この日の球速は、常時135キロ前後~MAX87マイル(139.2キロ)。ギリギリまでボールを隠しながら、突然ピュッとボールが出てきて、キレのある球を投げ込んで来る。ただキレ型の球質のために、甘く入れば痛打を浴びる球威・球速の無さはご愛嬌。カーブ・スライダー・スクリューなどを織り交ぜ、両サイドに球を散らせて討ち取るのが、この投手の身上。

昨年は、63回2/3イニングで50奪三振。奪三振率は、1イニングあたり0.79個。通常0.8以上奪えるような投手は、かなり三振が取れる投手だと評価していいだろう。ただその昨年よりも、今年は調子がいいので、もっと高い奪三振率も期待できそうだ。ただ基本は、三振を奪うよりはコースを突いて、打たせてとるタイプだと言えよう。

(諸刃の剣)

この投手は、非常に特殊なメカニズムで投げ込むフォームのために、フォームがピタっとハマっている時はいいが、いったんフォームのバランスを崩すと、その修正に時間がかかる。そのため優秀なピッチングコーチが常にいて、彼のフォームの狂いを修正できるのかが、一つ活躍の大きなポイントになるのではないのだろうか。

少なくてもこの試合では、そのバランスが非常に良かった。投球テンポもよく、制球や変化球とのコンビネーションも冴え、心地良いリズムで相手を討ち取って行く。少なくても、4年秋や昨年の都市対抗の頃に比べると、格段に内容は好い。変則フォームでも、クィックは1.1秒弱と素早く、これは学生時代よりも鋭くなっていた。このバランスを維持できていれば、プロの打者にとっても相当厄介な球筋だろう。

 この変則故に存在感があるわけだが、一つバランスを崩すと修正が難しい。また気持ち良く投げている間は好いのだが、この投手は意外にムラッ気があって、悪くなると気持ちの部分から崩れて行く傾向があった。この日は、そういった姿は見られなかっただけに、悪い時に悪いなりのピッチングができるのかが、今後見てみたいポイント。

(プロ入りには)

立正大4年の春に観た時も、プロで面白い存在として☆☆の評価をした。しかしそれを、年間通して持続できなかったと言う課題が残った。今回も春先の観戦だけに、秋の都市対抗の時期まで、この好調さを持続できるのかに注目。そういった安定感があるかが、プロ入りへの別れ目となりそうだ。

もしプロ入り後も、この内容を安定して発揮できるのであれば、左打者へのワンポイントや中継ぎとして、貴重な役割を担うことになるだろう。特に右打者を苦手としていることもないようだし、実績を残して行けばワンポイント以上の役割も任されてゆくはず。けして上位指名するようなスケールはないものの、左の即戦力リリーフを探している球団としては、非常に特徴があって面白い存在ではないのだろうか。中位指名ぐらいでの指名を、期待してみたい。


蔵の評価:☆☆ (中位指名級)


(2011年 関東選抜リーグ)





 
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小石 博孝(24歳・NTT東日本)投手 177/85 左/左 (鶴崎工-立正大出身

(どんな選手?)

 立正大時代から、ドラフト候補として注目された左腕です。テイクバックを小さく取り、球の出所を徹底的に隠す、左スリークオーター。都市対抗予選4試合に登板し、防御率0.45と安定し、ルーキーながらチームの都市対抗出場に貢献致しました。

(投球内容)

 球速は、コンスタンに140キロ前後をマーク。格別球が切れるとか、勢いがあるわけではないのですが、やはり球の出所が見難くピュッと差し込まれる感じはするのではないのでしょうか。両サイドにしっかりボールは散っているのですが、意外に微妙なところが決められない制球力の無さが気になりました。

 変化球は、横滑りするスライダーとシュート系の横の揺さぶりが中心。高低への変化には、乏しいタイプ。牽制はそれほど鋭い牽制は入れてこない選手ですが、クィックは1.0秒を切るような高速クィックを投げ込みます。マウンド捌きなども悪くないのですが、あと一歩投球に絶対的な安定感がないのは、本当の意味での制球力に欠けるからではないのでしょうか。

(投球フォーム)

 独特のテイクバックを小さく固め、球の出所を極力隠したフォームが特徴です。お尻を三塁側(左投手は)に落とせないタイプなので、将来的に見分けの難しいカーブや縦の変化を修得するのは厳しいタイプだと思います。足を地面に着きそうなぐらいまで降ろしたところから、グッと前に伸ばし「着地」のタイミングを遅らせることに成功。球の出所だけでなく、フォームのタイミングでも、打者を幻惑することができます。

 グラブは、最後まで身体の近くにあります。そのため両サイドの制球は、安定しやすいです。また足の甲での押しつけも好いので、ボールがそれほど高めに浮きません。ただ「球持ち」も悪くないように見えるのですが、どうも微妙な指先の感覚が私には悪いように見えます。そのため、微妙な制球力に欠ける気が致します。ただ腕の角度はサイドに近いスリークオーターで、身体への負担は小さいと思います。

 投球の4大動作においては「着地」までの粘りが非常にあり「開き」も非常に見難いタイプです。「球持ち」も悪くないように見えますが、実際にはあまり指先の感覚が好いようには見えません。またグッと前に体重が乗ってくるタイプではないので、手元までボールの勢いは並といった感じでしょうか。

(今後は)

 球の威力・変化球レベル・独特のフォームと言う特徴があるので、11年度も注目のドラフト候補になると思います。ただ、ここでと言う時の本当の制球力が身につけられるのかが、一つ大きなポイントになるのではないのでしょうか。そうやって安心して観ていられる安定感を身につけられた時、ドラフト指名は現実味を帯びてきそうです。


(2010年・都市対抗)






(どんな選手?)

 春の入れ替え戦でチェックした時には、☆☆をつけるなど、ドラフト候補として面白い存在として高く評価した選手でした。秋のリーグ戦を見た時はイマイチでしたが、再び神宮大会で観戦することができました。リーグ戦では、3勝2敗 防御率 1.74 とリーグ6位の防御率で、優勝に貢献致しました。

(投球内容)

 最大の特徴は、球の出所をギリギリまで隠し、足を地面に着きそうなところまで降ろして中々そこから降ろさない「着地」の粘りがあるフォームにあります。こういった技巧派・変則派でありながら、球速は130キロ台後半~MAXでは140キロ台中盤を叩き出すことができ、それでいて様々なバリエーションを使えるピッチングの上手さもある力と技を兼ね備えているところです。変化球は、カーブ・カットボール・たまにスクリュー系の球もありますが、この球の扱い春同様もう一つです。

 けん制もそれなりに鋭いですし、クィックも1.2秒前後と基準レベル。マウンドさばきもよく、ピッチング自体にセンスも感じられます。ただ制球は悪くないのですが、時々甘い球があるのと、性格的に結構起伏の差があるというか、カッカしやすい部分があるように思えます。そうなった時に、それまで良かったピッチングが雑になる時があるように思えます。ピッチングは技巧派ですが、内面的には力投派タイプの側面があり、クレバーなタイプとはちと違う気が致します。

(今後は)

 いかせん頭角を現したのが、4年の春季リーグから。それだけに、すでに社会人などの話も進んでいて、よほどの上位じゃないとプロへは難しかったのかもしれません。下位なら面白いと思ったスカウト・関係者もいたと思いますが、NTT東日本に進んで2年後までの更なる成長を期待と言うことになりました。

 すでにプロ級の力はあるので、社会人で確かな実績でも残せば、2年後の指名は有力だと思います。ただ社会人に進んだのですから、そこからまたいろいろ学んで、今度は文句なしの評価で、プロ入り実現させて欲しいと思います。きっと春のスポニチ大会から、登板機会に恵まれる投手ではないかと思います。また出会えることを楽しみにしたいと思います。

(2009年・神宮大会)





楽天



(どんな選手?)

 大学3年生までは、リーグ戦で10試合登板。しかし制球に不安があるなど、ここまであまり印象的な活躍は出来ていなかった。そのためリーグ戦でも3年間で1勝もしていないなど、かなり地味な存在だった。しかし今春のリーグでは、球の出所を隠した独特のフォームと、140キロ台の速球を武器に活躍。私の周りの観戦仲間達からも、面白いイチオシ選手として話題になる存在となっていた。

(投球スタイル)

 前の肩の開きをギリギリまで抑えた球の出所の見難いフォームと、地面に向けた足をギリギリまで着地させない独特のフォームで打者はタイミングが取りにくい。技巧派と思いきや常時130キロ台後半~140キロ台中盤を記録する球の威力・勢いもあり、かつカーブ・スライダー・スクリュー・カットボールなど多彩な変化球や攻めのバリエーションで、相手の的を絞らせない投球も出来る実戦派左腕。

 それほど細かい投げ分けは出来ないが、球は全体的に低めに集まり、勝負どころでは高めの空振りを誘ったり、内角を厳しく突いたりとストレートも、いろいろ投げ分けることが出来るのは魅力。カウントを悪くして立て直す制球力もあり、勝負どころでも踏ん張ることが出来るなど、けして四球で自滅するタイプでもない。牽制もそれなりで、クィックも1.1秒台と早く、ランナーを出しても得点に結びつけない投球が出来るところが買い。

 まだまだスクリュー系の球を、上手くコントロール出来ないことが多いので、この辺の球が上手く使えるようになると、投球も随分と楽になるだろう。特に縦の変化はないものの、三振も奪える強さと上手さを兼ね備える投手。更に経験を積んだ秋には、更なる飛躍が期待出来そうだ。

(今後は)

 投球に凄みとか、素材にスケールを感じさせるタイプではない。むしろイヤらしいタイプを売りにしながらも、意外に球の力・精神的なタフさも感じさせる投手。良い球を持っていても、後一歩踏ん張れない湯本(専修大)とは対照的に、プロでも地味ながら確実に計算出来る投手に育つのではないかと言う期待を抱かせてくれる。けして最上位の器ではないが、一年目からプロの即戦力としての活躍を期待出来る貴重な存在ではないのだろうか。

蔵の評価:
☆☆ 

(2009年・東都入れ替え戦)