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塚田 正義(ソフトバンク)内野手のルーキー回顧へ



塚田 正義(白鴎大)遊撃 178/69 右/右 (古河一出身) 
 




                 「少し固いんだよなぁ。」





 古河一高時代は、全国的全く無名ながら、白鴎大では一年生から頭角を現した選手。その後も最終学年まで、白鴎大の中心選手として活躍してきました。強打の遊撃手として、ドラフト直前のこの時期でも、実際に名前があがる有力選手です。

(守備・走塁面)

 下級生の頃は三塁手として出場しておりましたが、上級生になってからは遊撃手として出場。ただ毎回観て思うのは、遊撃手としては身のこなしが固いこと。更に打球を待って捕るなど、かなり内野手としては致命的な欠点が観られます。また下級生の頃から地肩は強いのですが、スローイングも不安定な部分もあり、プロや社会人レベルで遊撃手を続けるのは難しいと考えます。その動きからも、三塁手もしくは外野手向きだと評価します。

 また走力は、今まで正確なラップを計測できたことがないのですが、かなりその動きを見ていると遅いです。実際かなり身体は重苦しいですし、走塁への意欲は高くありません。守備・走力に関しては、かなり割り引いて考えた方がよさそうです。



[高画質で再生]

塚田 正義(白鴎大)遊撃 [ウィキ] 


(打撃内容)

 動画のスイングを観て頂いても、かなり力強いスイングをする選手。ただ強打者ですが、オーバーフェンスをする長距離打者ではなく、強烈な打球が野手の間や野手の頭の上を越えて行くタイプの強打者。

<構え> ☆☆☆☆

 スクエアスタンスで両足を揃え、グリップを高めに添えた強打者スタイル。腰の据わり具合もよく、両目で前を見据える姿勢もよく、全体にバランスの取れた構えです。前足のカカトを上げ下げして、自分のリズムで打席に立てているのも良いと思います。

<仕掛け> 平均的な仕掛け

 投手の重心が沈み切ったあたりで始動する、平均的な仕掛けを採用。これは、ある程度の対応力と長打力をバランスよく兼ね備えた中距離打者が採用する仕掛けです。長打力よりも、勝負強さにウエートを置いていると言えるでしょう。

<足の運び> ☆☆☆☆

 足を引き上げてから、降ろすまでの「間」はそれなりあります。そのため、いろいろな変化には対応しやすいはず。また真っ直ぐ踏み出すことからも、内角でも外角の球でも捌きたいという、彼の意志が感じられます。踏み込んだ足下も、インパクトの際にはブレませんが、地面から離れるのが早いタイプ。そのため打球は、引っ張りの打球が多くなります。

<リストワーク> ☆☆☆☆

 打撃の準備である「トップ」を、早めに作ることができています。これによって、速い球に立ち後れる心配はありません。けして最短距離で振り抜くようなスイングではありませんが、最後まで力強く振り抜けています。ただ残念なのは、インパクトの際にバット先端が下がり気味にボールを捉えているので、ボールが中々フェアゾーンに落ちません。またフォロースルーを生かしてボールを運ぶタイプではないので、強烈な打球で野手の間を抜いて行きます。

<軸> ☆☆☆☆

足をしっかりあげる割には、目線は大きく動きません。また身体の開きも我慢でき、軸足にも安定感を感じます。自分からボールの方に、身体が突っ込んで行くことは少ないタイプのように思えます。

(打撃のまとめ)

 昨年の大学選手権の頃に比べると、かなり技術的な欠点は改善されつつあります。ただどうしても、引っ張って巻き込む打球が多く、ボールを引っかけることが多いのは相変わらず。そういった打撃の柔軟性に欠ける部分があり、もう少し臨機応変に右方向にはじき返したりできれば、打撃の幅も広がるのになといつも思います。



(最後に)

 技術的には改善されつつありますが、まだ打撃の柔らかさ・ボールを捉えるセンスなど、プレー全体に柔軟性に欠ける場面がしばしば観られます。またこれは打撃だけでなく、遊撃の守備でも感じられる部分。

 守備・走力でのアピールにも欠け、個人的にはプロとしては厳しいのではないかと評価します。、また強打の遊撃手として考えるよりも、三塁手・外野手として評価してみると、物足りないのではないか、そういう見方してしまいます。もう少し社会人で柔軟性を磨き、そこで結果を残してからでも、プロ入りは遅くないと評価します。


(2011年 秋季リーグ戦)










塚田 正義(白鴎大)遊撃 178/69 右/右 (古河一出身) 

(どんな選手?)

 古河一時代は全国的に知られた選手ではなかったのですが、白鴎大入学直後から頭角を現してきた選手です。以後、リーグを代表する強打者として実績を残してきました。特に最短距離でボールを捉えるスイングが主流のアマチュア球界では珍しく、ヘッドのしなりを活かしたスイングができる、数少ない逸材です。

(守備・走塁面)

 正確タイムは計測できておりませんが、過去の試合を見る限り、盗塁をバシバシ決めるような走力はなさそうです。けして、足を売りにするタイプではないと思います。

 下級生の頃は、三塁手をしておりました。ただ当時から、あまり守備に魅力を感じたことはありません。ただ遊撃手としては、守備範囲は広そうです。地肩も強いのですが、スローイングの制球が不安定なのが気になります。長い距離へのスローイングに課題があるのか?あるいは、無理な体勢からのスローイングに課題があるのかはわかりませんが、上のレベルで遊撃手として見るのはきついかなと思います。三塁もしくは外野あたりが適任だと思うのですが、けして反応等は悪くないので、キャッチングの精度次第では、強打の二塁手と言う選択もあるかもしれません。

(打撃内容)

 ツボにはまった時のスイングは見事ですが、少し確実性が低いのが気になります。クローズスタンスで、つま先立ちして構えます。グリップの高さは平均的で、あらかじめ捕手方向に添えます。腰の据わり・全体のバランスは好いのですが、クローズ故に、少し前の見据えはよくありません。全体的に、力が入りすぎかなと言う印象を受けました。

 仕掛けは「平均的な仕掛け」を採用。本質的には、中距離・ポイントゲッタータイプなのだと思います。足を大きく引き上げて、ベース側に強くインステップして踏み込みます。打てるポイントが多いと言うよりは、強く踏み込むことに主眼を置いたスイングです。踏み込んだ足元が、地面から離れるのが早いタイプなので、上手く巻き込めた時は好いのですが、外の球を我慢して叩くといった部分ではどうなのかな?と思います。それでもクローズスタンスを採用している以上、高めの緩い球以外は、センターから右方向に打つのが鉄則。そこをしっかり認識してクローズスタンスを採用しているのであれば、問題はないと思います。

 グリップをあらかじめ捕手方向に引いているので、打撃の準備段階である「トップ」を作るのが遅れることはありません。グリップが内に入り込んでいるので、少しヘッドの出が遅れて出てくる感じです。ボールを捉えるまでのスイング軌道は、けして最短距離と言うロスの少ないタイプではないのですが、独特のしなりを効かせたスイングをするためには仕方ありません。インパクトの際にバットの先端が下がるのが気にはなるのですが、ヘッドスピードが鋭いので、ドアスイングと言うほどではありません。また最後まできっちり振り抜き、フォローまで持ってこられるプロ仕様のスイングができます。

 頭のブレ・体の開きが多少見られますが、軸足には強さを感じます。技術的には癖や課題も多いのですが、素材としては魅力がある選手です。

(今後に向けて)

 プロを意識するには、守備・走力とのバランス。打撃も対応力に課題を感じます。ただ、そのスイングは魅力だけに、来年も継続して追いかけてみたい一人でした。現状来年のドラフト候補として見るのは微妙なのですが、ことスイングに関しては、プロ級だと言えるでしょう。


(2010年 大学選手権)


 






 
(どんな選手?)

 高校時代は無名でしたが、白鴎大入学直後から頭角を現した選手です。とにかくバットがしなるようなスイングが魅力で、本塁打も多く記録する長打力が魅力です。今春のリーグ戦では、本塁打3 打点7 打率.362厘と活躍。大学選手権では、4番・遊撃手として出場いたしました。

(守備・走塁面)

 遊撃手としては、やや動きが固く、あまり上手い選手には見えません。確か昨年までは、三塁をやっていたかと記憶しております。ただ地肩は基準以上であり、今後の成長に期待といったところでしょうか。

 走力に関しては、今回計測出来ず。ただけして遅い選手ではないと思います。この辺は、今後の観戦のポイントにしたいと思います。

(打撃内容)

 少々内に肩が入るような癖のある構えなのですが、確かにヘッドがしなるようなスイングは、一際目を惹く選手です。少々ミートセンスに物足り部分もあるのですが、しっかり捉えた打球には魅力があります。ヘッドスピードも早く、スイングはプロを意識出来る代物です。

(今後は)

 体格が小さいだけに、プロを目指すならば、二塁・遊撃など守備の付加価値がプラスαあれば、指名に大きく近づくことは確かだと思います。ただ将来的に、遊撃をこなせるまでになるのかは微妙かなと思います。

 打撃も非常に良いスイングをしているので、後は高いレベルの投手に対応出来る術を磨いて欲しいですね。リーグ戦で満足することなく、上のレベルを想定して、これからは取り組んで欲しいと思います。今後の関甲新リーグ、はたまた学生球界を代表する野手に育って欲しいと期待しております。

(2009年・大学選手権)