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菅野 智之(東海大)投手 185/86 右/右 (東海大相模出身) |
「頭ひとつ抜けた存在!」 2011年度のドラフト戦線において、菅野 智之 は、頭一つ抜けた実力の持ち主だと言える。2010年度組と比較しても、菅野レベルの投手は存在しなかった。そういえるぐらい、菅野 の充実ぶりは素晴らしい。 (投球内容) これまで残してきた首都リーグでの実績、日本代表での活躍などを観ても、私がアマチュア野球を観るようになってから、ほとんど例がないくらい完璧な実績を残してきた選手。そんな菅野が、最終学年を迎えてどのように成長してきたのか、改めて考えてみたい。 (確固たる自信) 以前は、コンスタントに145~150キロ強の圧倒的なスピードを披露していたピッチングも、今春は常時140キロ台前半ぐらいと、かなり大人しくなっている。しかし要所では、いつでも150キロ近いストレートを投げ込めると言う、力の加減を変えたメリハリのある投球に変わってきた。すでにマウンドでは、風格すら感じさせるマウンド捌きで、首都リーグの打者ならば完全に見下ろして投げている。 この選手のストレートは、ピュッと手元でキレるような快速球。けして球威で押すような重いボールではない。打者が思わず差しこまれるような鋭い球質であり、逆に言えばきっちり捉えればボールは飛んで行く。その分手元で切れるので、力を入れて投げたボールは空振りも誘える代物。 現在の菅野投球は、スライダーとのコンビネーション、時々緩い90キロ台のスローカーブを織り交ぜつつ、追い込むと鋭いフォークで仕留めると言うケースが多い。特に長打を浴びないように普段は制球を重視、両サイドに丁寧に投げ込んでくる。 素晴らしいのは、ストレートと見分けの難しい腕の振りでスライダーとフォークを投げられるところ。左打者に食い込んで来るスライダーは、左打者には見えず。またフォークの落差もあり、この球も見分けが困難。ストレートで空振りを誘えるだけでなく、スライダー・フォークで三振を狙えるキレがある点は、プロ入り後も大いなる強味となるはずだ。 [高画質で再生] 菅野 智之(東海大)投手 [] (藤岡 貴裕との違い) 今年のドラフト戦線において、右のNO.1が菅野 智之ならば、左のNO.1は、東洋大の藤岡 貴裕 だろう。そこでここでは、彼との違いについて考えてみたい。菅野と藤岡の違いは、やはり力を抜けるか抜けないのかと言うこと。藤岡は、常に全力で力を出し切る投球のため、苦しくなると投球がどんどん汲々と自らの首を絞めてしまう傾向にある。しかし菅野は、普段は力を抜いているので、勝負どころで力を発揮でき余力が投球に残されているのだ。こういった部分を、投球のメリハリと表現するわけだが、まだ藤岡の投球には、そういった抜きどころと勝負どころの区別に乏しいところがある。 また藤岡の投球の多くが、ストライクゾーンで勝負したがるのに対し、菅野は、ストライクゾーンからボールゾーンに切れ込む投球ができると言うこと。それだけ相手から空振りも誘えるし、危険のリスクも回避できる。そういった投球に遊びの部分もあるので、いざと言う時にも余裕が生まれれて来る。 最大の違いは、残してきた実績の違いだ。1年生の頃からリーグ戦で主戦として活躍してきた菅野は、マウンドですでに自信に満ちた風格がある。その一方で藤岡は、常に紙一重の相手に全力でぶつかって来ると言う余裕のない内容。藤岡からは、タフな精神力や体力は感じても、自信にみなぎる余裕は、あまり感じさせない。そういった意味では、持っている雰囲気は、現時点では菅野の方に断然分がある。集約すれば、投球における精神的な余裕と言うものが、決定的に2人には差があるように思えるのだ。これが、プロでの活躍、実績によっていずれは逆転する可能性も否定できないが、現時点で1年目の活躍を予測するのであれば、菅野はワンランク上の投球を行っていると言えるであろう。 (それでも心配な部分が) 首都リーグ史上に残る実績を残し、更に全日本でも活躍。彼に残されたことは、日本一と言う勲章ぐらいだろうか。昨年斎藤佑樹のいる早稲田大に、神宮大会決勝で敗れた。こういった悔しい経験が、今年いかに生きるのか注目していた。 しかしリーグ戦では、負けられない日体大との息詰まる投手戦に敗れ勝ち点を落とし、更に絶対に取りこぼしてはいけない別の試合でも、早々自己ワーストの早さでK.Oをきするなど、してはいけない取りこぼしをしてしまった。こういった部分は、「持っていない」と思われても仕方ないことで、大学野球最大の大会に出場できないと言うのは、これからの彼の野球人生を考えると暗雲が立ちこめてくる。この汚名返上は、最後に残された大会 明治神宮大会で、日本一を実現するしかないだろう。 もう一つ以前から気になっていたのが、彼の未来像が何故か想像できないと言うこと。この選手は、意外に体力がないのかな?と思えたのは、昨年の大学選手権。連投になると顕著に肘が下がって来て、投球内容が低下するところがあった。元々身のこなしも固く、基礎体力も足りないとなると、プロの長いシーズンを考えると、不安を覚える部分。疲れが溜まってきてフォームが崩れてきたり、それでも無理に投げることで故障を誘発すると言う悪循環につながなければと言う不安は拭えない。何か持っている能力は絶対的でも、それをコンスタントに発揮できないのではないか?と言う不安が頭によぎる。 (それでも評価する) 今の持ち得る能力をプロのマウンドでも発揮してくれるのならば、一年目から二桁どころか、15勝前後でチームのエース級として、活躍できるのではないのだろうか?プロでも空振りを誘える速球と、見分けの難しいスライダーとフォークの存在。抜きどころを理解し、遊び心も持った投球術。久々に、一年目から15勝を意識できる器に出会った気がする。 (やり残したこと) それは、文句なし日本一の称号を勝ち取ることだろう。そしてトーナメント戦の中でも、質の落ちないパフォーマンスを見せつけ、プロへの不安を完全に払拭させる活躍を見せつけて欲しい。本当に彼が「持っている男」ならば、ドラフトの目玉に相応しい最後を、我々の目に焼きつけてくれるはずだ! 蔵の評価:☆☆☆☆☆ (目玉級) (2011年 春季リーグ戦) |
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菅野 智之(東海大)投手 185/86 右/右 (東海大相模出身) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「1位指名確定!」 現時点で、2011年度のドラフト会議において、1位指名が確定的な男がいる。その男の名前は、菅野 智之。全日本のクローザーを務めた経験もある菅野は、今年の大学選手権で、先発としての可能性も示してくれた。今や大学球界屈指の右腕に踊り出た菅野には、もはや風格すら感じさせる。 (投球内容) ストレート 145~154キロ コンスタントに140キロ台後半~150キロ台前半ぐらいは叩き出せるスピード能力がある投手で、剛球タイプと言うよりは、球のキレで勝負する快速球投手といった感じの球質である。実際その三振を調べてみても、ストレートで奪っているケースが目立つ。 変化球 一見単調なスライダー・チェンジアップ系のフォームをしているのだが、カーブで緩急を効かせたり、スライダー・フォークなどの変化球に加え、カットボール・ツーシームと、かなり多彩な変化球で投球を彩っている。ただ彼の変化球は、あくまでも速球を際だたせるためのもので、それほど変化球で空振りを誘うような絶対的な威力はない。ただこれだけのストレートを持っているにも関わらず、かなり投球の引き出しは豊富だと言う、稀なタイプだと言えよう。 その他 牽制もフィールディングも基準レベル以上の技量を持っており、クィックも基準レベルである1.2秒前後で投げ込んで来るなど、大きな欠点がない。今までは、球の威力はあるものの、結構アバウトな投手なのかなと思っていたが、両サイドに投げ別けて来る制球力もあり、ふてぶてしいまでのマウンド捌きにも大きな破綻はない。これと言った欠点が、見当たらない投手へと成長した。 <右打者に対し> ☆☆☆ 右打者に対しては、無理に内角を攻めて痛手を食らう必要もなく、外角一辺倒で抑え込むことが多い。アウトコースの真ん中~高めのゾーンに、速球とスライダーを集める単調なピッチング。それでも、学生相手ならば、抑え込めてしまうだけの制球力・球の威力が、この菅野にはある。 左打者への多彩な攻めからも、実際には打者の懐をついたり、もっとカーブやフォークなど多彩な変化球を魅せることも可能であるはず。その必要性に迫られないと言うのが、現状なのだろう。彼の場合、けして攻められないのではなく、あえてやる必要がないと言った感じで、あえてこの単調なピッチングスタイルをしている感じがする。 <左打者に対し> ☆☆☆☆ アウトコースの真ん中~高めのゾーンに速球を集めるのを基本に、カーブで緩急・カウントを稼ぎつつ、内角には速球とカットボールで詰まらせるといったピッチングスタイル。その合間に、フォークなどの高低の変化も使い、打者の的を絞らせない。特に、外角高めのストレートで三振を奪うケースが目立つ。しいて課題をあげるとすれば、これだけの配球を魅せているのだから、縦の変化で空振りを取れるような、フォークの精度を磨いて欲しい。 (投球のまとめ) 今春のリーグ戦や大学選手権を見て感じたのは、先発投手としての可能性も強く感じられたと言うこと。それまでは、プロならばリリーフ向きとの先入観があった。しかしこの春の投球では、その組み立て・マウンド捌き・制球力などからも、ローテーション投手を担って行けるだけの資質があることがわかったことは、彼を評価する上で非常に大きなポイントになりそうだ。 逆に、間隔の短い登板をすると肘が下がり球の威力が半減すると言う、リリーフ投手としての資質に疑問を持たざるえない一面も垣間見られた。こういったことがわかったことも、菅野と言う男を知る上で、参考になる大会だったのではないのだろうか。 楽天 (リーグ成績)
1年秋に本格化してからは、圧倒的な実績を残してきた。3度の防御率1位、ベストナイン2回・最優秀投手賞・MVP4回と言う文句なしの実績を残している。 1,被安打は、イニング数の70%以下 ○ ちょっと2年秋の被安打記録がわからなかったものの、3年春・秋の被安打率の低さは特筆ものだ。 2,四死球は、イニングの1/3以下 ◎ 150キロ台の球速を誇りながら、四死球率の低さも特筆もの。制球力に粗さのある速球投手とは、明らかに違う。 3,奪三振 ÷ イニング数 = 1.0前後 ○ 明らかにイニング以上の奪三振を取るほどではないが、それでも毎シーズンイニング数前後の奪三振を奪うのは、さすがだと言えよう。ただ変化球で仕留めるというよりは、ストレートで三振を奪うケースが目立つ。 4,防御率は、1点台が望ましい ◎ 一番悪いのが、2年時の1.22。特に3年生に入ってからの安定感は、際だっている。 (データからわかること) 六大学や東都リーグと比べるとリーグレベルが劣るとはいえ、この数字は圧巻。データ上では、ここまで圧倒的な数字を残してきた選手は記憶にない。データの上からも、文句なしの目玉選手だと言えよう。 (投球フォーム) 今度は、投球フォームの観点から、彼が上のレベルでも通用する技術を身につけているのか考えてみたい。 <踏みだし> ☆☆☆ ノーワインドアップで投げ込んで来る投手であり、足の横幅は、肩幅よりやや広くとり理想的。足を引き上げる勢いや高さがあり、フォーム序盤から高いエネルギーを作り出すリリーフタイプに多く見られる踏みだしとなっている。こういったフォームを見ていると「間」をしっかり意識して投げ込む先発タイプには見えず、打者とのタイミングが合うと怖いかなと思えてくる。 <軸足への乗せとバランス> ☆☆☆☆ 軸足一本で立った時に、膝から上がピンと伸びきることなく、余裕を持てて立てている。膝から上がピンと伸びきって余裕がないと 1,フォームに余計な力が入り力みにつながる 2,身体のバランスが前屈みになりやすく、突っ込んだフォームになりやすい 3,軸足(写真右足)の股関節にしっかり体重を乗せ難い などの問題が生じる。彼の場合は、全体にバランスが取れ、力みなく立ち方としては、非常に良い立ち方ではないのだろうか。 <お尻の落としと着地> ☆☆☆ 引き上げた足を、空中でピンと伸ばす時に、やや地面に向かって伸びており、お尻の一塁側への落としは甘くなっている。お尻をしっかり落とせない投手は、ブレーキの好いカーブや縦に腕を振るフォークの修得に苦労しやすいことにつながるからだ。彼の場合、これでもカーブ・フォークなどの球を織り交ぜて来るものの、どうしても、このフォームだとボールのキレに甘さを残すことになる。それ以上に怖いのは、身体への負担が大きいので故障には充分に注意したいタイプとなる。 また彼の投球で一番残念なのは、「着地」までの粘りに欠けると言うところ。着地を遅らせる意味としては 1,打者が「イチ・ニ~の・サン」のリズムになりタイミングが取りにくいからだ。「ニ~の」の粘りこそが、投球動作の核となる。 2,軸足(写真後ろ足)~踏み込み足(前足)への体重移動が可能になる。 3,身体を捻り出すための時間が確保出来るので、ある程度の変化球を放れる下地になる。 現在は、球の威力で学生相手に圧倒しているが、少しでも球の威力が半減した場合、それを補うだけのフォームの下地がないところには、悪い時に悪いなりにと言うピッチングが、プロレベルの打者相手にできるのかには疑問が残る。 <グラブの抱えと軸足の粘り> ☆☆☆ グラブは最後まで内に抱えられている。グラブを内に抱える意味としては、外に逃げようとする遠心力を内に抑え込み、左右の軸のブレを防ぐ。すなわち両サイドへの制球は安定しやすいことになるのだ。 ただその一方で足の甲の押しつけは皆無であり、つま先のみが地面を捉えている。足の甲で地面を押しつける意味としては、 1,浮き上がろうとする上体の力を押さえ込み、球が浮き上がるのを防ぐ 2,フォーム前半で作り出したエネルギーを、後の動作に伝える などの働きがある。そのため彼の場合は、ストレートが真ん中~高めに集まりやすく、フォーム後半へのエネルギー伝達もうまくいっていない。 <球の行方> ☆☆☆ 「着地」と並んで彼のフォームで最も気になるのが、テイクバックした際に、前の肩と後ろの肩を結ぶラインが、打者に真っ直ぐ伸びていて、ボールが常に見やすいフォームだと言うこと。専門的な言葉で言えば、打者に対して正対するのが早いフォームだと言えよう。そのため「着地」した時点で、ボールを持っている腕は、打者から見えており、身体の開きが早いフォームだと言える。開きが早いと、どうしても球種が早くわかってしまうので、ストレートの球速があっても、その効果は薄いものになってしまう。 また、かなり肘の下がったフォームをしているので、ボールにさほど角度は感じられず、球速ほど球の威力は感じにくい側面がある。無理に角度をつける必要はないが、テイクバックした際に、前の肩と後ろの肩よりも、肘が下がらないポイントを維持することを望みたい。 ただ少々ボールを押し出すようなリリースは気になるものの、「球持ち」に関しては、こちらの想像以上ものを持っていた。ボールを長く持つ意味としては 1,打者からタイミングが計りにくい 2,指先まで力を伝えることでボールにバックスピンをかけ、打者の手元まで伸びのある球を投げられる 3,指先まで力を伝えることで、微妙な制球力がつきやすい などがあげられる。 <フィニッシュ> ☆☆☆ 腕は強く振れているので、投げ終わったあとに、身体に絡むことはできている。投手にとって最も大事な用件の一つとして、腕を強く振れることがあげられる。 ただ「体重移動」に関しては不十分であり、上手く前に体重が乗っていっていない。上体を強く振れている時には球にキレを出せるが、疲れが貯まって腕が振れなくなると、手投げになって球質が著しく低下する傾向が見られる。 (投球フォームのまとめ) 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」の観点でみると、「球持ち」以外の部分に課題を抱え、実戦力に欠けるフォームであることがわかる。そのため疲れが出てくると、持ち味が一気に低下するタイプの投手であり、悪い時には歯止めが利かない可能性が高い。そのため如何に疲れを貯めないように注意したり、アフターケアには充分な気をつけないと行けないタイプだろう。そうしないと、プロの長く厳しいシーズンにおいて、安定した成績をは望めない。 (今後に向けて) 現時点での投球を観る限り、プロでもローテーションを担うだけの、投球レベルに達しているように思える。その反面、負担の大きなフォーム・技術的な課題も多いことからも、年間を通して活躍するだけの肉体的スタミナ・悪いときに悪いなりのピッチングをするだけの技術的な課題に不安を残す。 そういった意味での、プロでの活躍に疑問を持つ部分はあるのだが、これだけのパフォーマンスを示せる投手は、世代では屈指の存在であることも否定できない。大学選手権を見て関心したのは、この菅野の緒戦のピッチングと大野雄大(佛教大)の投球だったと言えよう。現時点では、2011年度世代で、NO.1の位置にいるのは、この投手だ! この記事が参考になったという方は、ぜひ! (2010年 大学選手権) |
原監督の甥っ子で話題になっている投手。速球は最速148キロまで伸びるようになったと聞いたが、どうだろうか。 目測で130キロ台中盤~140㌔近くといったところだろうか。速いボールになると140㌔は越えているだろう。彼のストレートはこの前の羽豆に比べると切れがいい、そしてスライダー、カーブを交えて、打ち取って行くのが彼のスタイルだ。どちらも曲がりが小さく、そして速いため、打者は結構てこずっている。 しかし上背がないため、あまり速球の角度がない、速球は高校生レベルだと速い部類。ただプロを意識すると、ややスピード不足という感が否めない。 全体的に悪い投手ではないのだが、なにかずば抜けたものがなかった。まとまっている投手だけに、大学・社会人経由で腕を磨いて、そこからプロを目指していけばいいのではないだろうか。 (2007年 7月2日 千葉県民氏) 少々前に丸まるようなフォームが、大きな体の割にスケールを殺しているのは残念。それでも、まだまだ伸びる可能性秘めた素材は魅力。常時130~135キロぐらいの球速だが、指にかかった時の速球は魅力。カーブ・スライダー・特に縦に落差のあるフォークらしき沈む球が有効。 上手くこの冬を乗り越えると、春には140キロ近い球速も期待出来る素材かもしれない。個人的には神奈川の中でも、密かにその成長を期待している1人だ。神奈川を代表する投手になれる素材だろう。 (2006年・夏) ご存じ?巨人・原監督の甥っ子。エースナンバーを背負い7回二死からリリーフ。とにかく!足が長いっ(笑)!!というのは冗談で(ホントだが)、細身で腕が長い投手らしい体型で、130㌔台の速球にカーブ、スライダーを交えたボールのキレで勝負するタイプ。低めのストレートは松山以上に伸びを感じた。今日は2回1/3を投げて4安打1失点を喫したが、三振も4つ奪った。重心の高いフォームで、それが角度を生み出しているのも事実だが、もうちょっと下半身を上手く使えるとよりスピードも増すのではないか!? 後は体力面か。正直、観ていて、(バテずに)1試合を投げきるとか、連投できるとかいうIMAGEは沸いてこなかった。まだまだ華奢なので、そのあたりも向上するようだと来年は一変しているかもしれない。山本(TDK千曲川)、渡辺裕(東海大)、小林(東海大)、小泉(東海大)といった相模伝統の?“未完だが素質十分な大型本格派”の系譜は受け継いでいると思うので、取りあえず、高校時点でどこまで伸びるかに期待したい。 (2006年 9月16日 DINAMO-JIN氏) |