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深江 真登(オリックス)内野手のルーキー回顧へ








深江 真登(関西独立・明石)内野&外野 177/75 右/左 (松商学園-龍谷大出身)





                内村 賢介(楽天)以来の衝撃!」





 動画を少しだけ観て「おっ!」と思わず見入ってしまったのは、あの内村 賢介(BCリーグ・石川)以来ではないのだろうか。それだけ動画と言う、限られた情報量の中でも、この深江 真澄が画面越しから、特別な雰囲気を醸し出す選手に、私には見えて来る。ただ今回も、実際の試合をしっかり観たわけではないので、具体的な評価づけはできないことをご了承願いたい。


(プレースタイル)

 俊足・強肩・巧打の外野手で、野球への意識も高い選手だと聞いております。特に下記の動画の最初の場面でも、打席で入念に足場を馴らしていることからも、打撃への強いこだわりを感じさせます。ちなみに2010年度の成績は

197打数 166安打 0本 32打点 25盗塁 打率.335厘





(走塁面)

 実際に一塁までの到達タイムなどはわかりませんが、思いっきりの良いスタートは切れておりますし、スライディングもベース付近までスピードが落ちることなく、スピード感を感じさせる選手です。

 実際この関西独立リーグのレベルがわからないのですが、197打数で25盗塁をプロの規定打席である446打席に換算すると
56.6盗塁、1シーズンで残す計算になります。少なくても肩のスローイング能力・投手の牽制やクィック能力の違いはNPBの投手とはあれど、年間20盗塁前後は、出塁率さえ確保すれば期待できるぐらいの脚力はあるのではないのでしょうか。少なくてNPBでは、足を売りにして行くことが求められます。

(守備面)

 内野手としても外野手としても、試合に出場していたようです。龍谷大までは投手だったそうで、そのキャリアの浅さも、今後の伸びしろになりそうです。上記の動画では、遊撃手としてのプレーが収められておりますが、フットワークなどに光るものはそれほど感じませんが、身体能力を活かしてやはり外野手として期待してみたいかなと思います。

 実際に遠投110メートルの地肩に関してはよくわからない部分もあるのですが、プロの関係者でも強いと言っているので、売りにできるかまではわかりませんが、充分プロで通用するレベルのスローイングが期待できる可能性は高そうです。


 守備・走力に関しては、売りにできる可能性を秘めた素材であるのは確かなようです。あとは、プロの環境に慣れ、癖を覚えたり、技術を磨くことで、総合力を引き上げたいところです。





(打撃内容)

 イチローテイストの打撃フォームから、センター中心に、右に左へと打ち返す幅広いバッティングが観られます。本塁打0の数字が示す通り、典型的なアベレージヒッターだと思われます。


(打撃フォーム)

<構え> 
☆☆☆☆

 前足をしっかり引いた左オープンスタンスで、グリップを高めに添えバットを傾け、あらかじめ捕手方向に引いて添えております。腰の据わり・全体のバランス・両目で前を見据える姿勢も悪くなく、自分のリズムで打席に立てておりますし、リラックスを心がけた良い構えだと思います。

<仕掛け> 
平均的な仕掛け 投手の重心が下がってきて底に到達したときに始動

 これが、最も平均的なタイミングでの始動となる。このスタイルは、ある程度の対応力と長打力をバランス良く兼ね備える万能型。主に中距離打者や打点を多く稼ぎたいポイントゲッターが多く採用するスタイルだ。ただ一見完璧そうに見えるこのスタイルも、実はアベレージ打者なのか、長距離打者なのか、どっちともつかずの特徴の見えにくいスタイルに陥りやすい。個性のない打者の多くが、このスタイルを採用しているケースが多い。

 仕掛けの観点からすると、中距離・ポイントゲッタータイプと言うことになるのだが、実際観ている限り、アベレージ打者としての傾向が強い。よりプロでその傾向を全面に出そうと思えば、更に始動を早めることになりそうだ。

<下半身> 
☆☆☆☆

 足をまわし込み、少しベース側に踏み込んでいるように見えます。そのため内角の球を綺麗に振り抜くよりも、外の球をしっかり叩くことに主眼を置かれた選手かなと言う印象を受けます。また「間」が作れているので、スピードの変化には対応しやすいタイプだと考えられます。

 踏み込んだ足下もブレずにスイングできており、しっかりタイミングがあえば、打ち損じの少ないタイプかと。膝も柔らかく使うことができるので、低めの球を拾うことも期待できそうです。

<上半身> 
☆☆☆☆

 あらかじめ「トップ」の位置にグリップを添えており、そこから振り出します。そのためスピードボールには、立ち後れにくいものと考えられます。ボールを捉えるまでのスイングにもロスは感じられませんが、インパクトの時に少しバットの先端が下がり気味なので、ヘッドをもう少し立てて構えられると、より高い確率でボールを捉えれる気が致します。特にスイングにひ弱さは感じずシャープですし、ボールを見極める姿勢も悪くないです。

<軸> 
☆☆☆☆

 足を上げて降ろすタイプですが、頭のブレは殆ど観られません。目線の狂いの少ないフォームだと考えられます。また身体の開きも我慢できておりますし、軸足にも粘りが感じられる選手です。

(打撃のまとめ)

 技術的にもしっかりしたものがありますし、打席での意識・集中力にも優れます。ボールを追う選球眼。球筋への集中力・柔らかい膝の使いとリストワーク・ひ弱さを感じないシャープなスイングなど、打撃でも光るものがある素材です。





(最後に)

 動画を見る限り、守備・走力だけでなく、打撃でも良いものを持っていたことに驚かされる。野球への意識・集中力も素晴らしく、素材としての柔らかさも感じられる素材。関西独立リーグと言う、今までと比較材料のない団体からのプロ入りだけに、絶対的な評価はできなかったものの、この選手はかなり面白いのではないかと思えて来る。

 まあNBPとのレベルの差に馴れるのに、1年ぐらいはかかるかもしれないが、2年目ぐらいには一軍を意識できるところまで来るのではないのだろうか。ファームでならば、一年目からある程度結果を残せそうな気がする。この選手が今後、どのようなサクセスストーリーを歩んで行くのか、個人的には興味が尽きない。期待して見守ってみたい選手だった。



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