10ky-26
中原 大樹(鹿児島・鹿児島城西)一塁 183/95 右/右 |
「何処で使うのかな?」 体格が示す通り重量級の体格の持ち主で、恐らくプロでは一塁かDHでの起用と言うことになるのではないのだろうか。ただ腕っぷしの強さから繰り出される打撃は超高校級で、まさに打撃オンリーといったタイプの選手です。 (プレースタイル) 旧チームから4番を任されていて、非常に存在感のある強打者です。気持ちの強さを感じさせるのが、この選手の特徴。甘い球を逃さず叩く「鋭さ」も兼ね備えます。 (走塁面) 実際に、一塁までのタイムは、昨年に引き続き計測できず。ただそのプレーぶりを観る限り、プロでも走力では劣る部類で、かなり守れる守備位置は限定されそう。ひょっとすると身体を絞って、本気モードでプレーすれば、そこそこの運動能力を秘めているのかもしれないが、現時点ではその片鱗を伺うことはできません。 (守備面) 動き自体ソツなくこなしているように見えます。ただ結構、連携のプレーの時などは、ボ~と見ていることが多いようで、何処までカバーリングを指導されていたり、スピードのあるプレーについて行けるのかは気になる材料です。現状プロでは、一塁ぐらいしか難しいのではないかと思います。 超高校級の打力がありながら、全くドラフト戦線で話題にならなかったのは、この走・守の低さからでしょう。それでもその打撃に光りを見出し、育成枠ならと言うことになったのだと思います。 (打撃スタイル) 安定した下半身を土台に、型の崩れない打撃が自慢です。腕っぷしの強さを活かして強引に引っ張るパワフルさもありながら、右方向に合わせても打球がしっかり伸びて行きます。また甘い球を逃さず叩く「鋭さ」も兼ね備えるなど、見ていて頼りになる打者です。 (打撃フォーム) <構え> ☆☆☆ 両足を揃えて立っておりますが、幾分クローズ気味になっております。グリップはあらかじめ捕手方向に引いており、平均的な高さに添えます。腰の据わり・全体のバランスは悪くないのですが、クローズ気味に構えるので、両目で前を見据える姿勢はイマイチです。 あらかじめ捕手方向にグリップを引いているせいなのか?少し構えが固く、柔軟性に欠ける印象を受けます。ただ少し太めの体格からは、強打者としての臭いがプンプンと漂って来て、相手投手に威圧感を与えます。 <仕掛け> 遅すぎる仕掛け 投手のリリース前後に始動 多くの欧米人やキューバ人などは、このタイミングで始動する。狙い球を絞って、打てる球を引っぱたく、そんなスタイルを取る。ただこのようなスタイルは、非常に脆く打てる球は限られる。 また始動~インパクトまでの時間が極端に短いので、スイングに不可欠な動作を端折ることで、インパクトを間に合わせようとすることになる。それでも打ててしまう欧米人のヘッドスピードと筋力の強靱さは、残念ながら日本人には真似出来ない。日本人の場合このタイミングでは、プロレベルの投手を相手には通用ないと私は考えてている。ただし、もしこのタイミングの始動を使いこなす日本人が現れた時、パワーで世界のスラッガーと対峙出来る存在になっているだろう。 <下半身> ☆☆☆ 始動が遅く、小さくステップするタイプです。そのため始動~着地までの間が短いので、打てるポイントは限られており、あらかじめ狙い球を絞って叩くタイプです。ただ甘い球を逃さない「鋭さ」がある選手なので、その辺は問題ないと思います。 ベース側にインステップするタイプの打者で、外角の球を強く意識したスタイル。踏み込んだ足下もブレないでバランスよくスイングできるので、右方向への打撃も可能になります。腰の逃げが早いのですが、それをインステップして足下をブレずに我慢することで、なんとか抑えることができております。そのため少々甘い外角球ならば、強引に引き手の強さを活かして引っ張りにかかることも少なくないようですが、外角低めへの対応は厳しいのではないかと思います。 <上半身> ☆☆☆ あらかじめ捕手方向にグリップを持ってきており、打撃の準備段階である「トップ」を作るのは立ち後れません。すなわちスピードボールへの対応は、それなりにできるのではないのでしょうか。 ただバットを振り出す際に、身体から離れたところから振り出すので、どうしてもインパクトまで遠くの軌道を辿り、対応力を低下させております。ボールを捉える位置が、身体からある程度の距離が必要なタイプであり、内角の捌きは窮屈だろうと言う気は致します。 フォロースルーの段階でグリップが高い位置に来る選手ではないので、ボールを運ぶような技術はありません。引き手の強さと腕っぷしの強さで、ボールを強引に力で持って行くタイプです。これは、金属バットでは可能な打撃ですが、なかなか木製バットでは難しい芸当であり、今の力任せのスイングだとホームランバッターとしては厳しいのではないのでしょうか。 <軸> ☆☆☆ 足の上げ下げが小さい割に、自分からボールを追ってしまうところがあります。そのため頭の動きは小さくなく、目線はブレやすいので的確にボールを捉えにくいです。身体の開きは我慢でき、軸足にも強さを感じさせるので、技術を身につければ長距離打者への変貌を遂げられる可能性は秘めております。 (打撃のまとめ) 仕掛けの遅さやボールを捉えるまでのスイング軌道など、技術的には課題が多いです。ボールを捉えるセンスは、やや柔軟性に欠け、技術的にも課題がありイマイチです。ただ甘い球を逃さない「集中力」の高い選手でもあり、ボールを見極める選球眼には優れたものがあります。ただ打球はパワフルですが、スイングにキレがなく、ヘッドスピードは物足りません。もう少し、身体を絞らないと駄目でしょう。自慢の打撃でも、プロ入り後は、かなり時間がかかる気が致します。 楽天 (最後に) そのプレーを観る限り、御山の大将といった感じの選手でもあり、雰囲気はあるのですが心配です。と言うのは、連携プレーへの参加や昨夏からの成長などを考えると、何処まで意識が高いのか不安になるからです。 特に守備・走力でのアピールが期待できない上に、打撃でも課題が多く時間がかかりそうです。そういったタイプだけに、球団が何処まで我慢して見てくれるのか疑問が残ります。タイプ的には、定岡 卓磨(福岡工大城東-ソフトバンク-ロッテ)に似たタイプの選手と言った感じであり、早期の退団にならないか心配な部分はあります。そのため指名リストには、名前を残すことはできませんでした。ただ日本人離れしたパワフルな打者だけに、なんとか育って欲しいと願っております。 この記事が参考になったという方は、ぜひ! (2010年・夏) |
(どんな選手?) 気持ちの強さを感じさせる選手で、初球でも甘い球が来れば逃さず叩く強打者です。2010年度の鹿児島を代表する打者の一人だと言えそうです。 (守備・走塁面) 私の観戦した試合では、4番・一塁手として出場しておりましたが、早々交代してしまい、守備・走力に関してはよくわかりませんでした。ただその体格が示す通り、パワーはありそうですが、スピード感のあるプレーヤーではありません。それだけに守備・走塁が何処まで期待出来るのかは疑問です。 (打撃内容) 小さくベース側に足を持って行き、チョンと小さくステップするタイプです。そのため打てるポイントが限られており、全体の始動が遅れないことが求められます。恐らくオーバーフェンスタイプと言うよりは、強烈な打球で野手の間を抜けてゆくタイプではないかと思います。踏み込んだ足下が、インパクトの際にブレない、バランスの良いスイングは魅力です。 (今後は) 打つだけならば、中々目立つものがあります。2010年度の鹿児島を代表する強打者になりそうですが、守備・走塁などの総合力には微妙そうなだけに、ドラフト候補になり得るかはどうでしょうか?ただ来年の鹿児島の高校野球を語る上では、覚えていて損はなさそうです。 (2009年・夏) |